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目覚めるとそこは?

本編スタートです。

(ほお)が痛い。


それが目覚めたばかりの俺がまず思った事である。


起き上がり、顔に食い込んだ小石を払い落とす。


パラパラと落ちる小石や砂は風に舞い、辺りに散らばる。


ふわりと吹き抜ける風は春の心地よさを感じさせ、思考をクリアにしてゆく。


---などと現実逃避をしてみたが状況は変わるわけもなく。


今を真摯(しんし)に受け止め言葉を紡ぐ。


「此処は何処だ?」


放たれた言葉は無常にも緑茂る森の中に消えていった。


//////////////////////////////////////////////////////////////////////


状況を整理しよう。


まず、自分の身体を調べる。


先程の痛みはあるが身体の不調はコレといって無い。


服装は黒の長袖、グレーのジーンズ。


装飾物は無くとてもラフな格好だ。


手にはビニール袋、肩には黒い皮製の細長い袋を掛けている。


背負っていたらしいリュックは少し手前に落ちていた。


こんな深い森の中に来る様な格好ではない。


ちょっと買い物に出掛けた帰りと言われれば納得できる。


では何故こんな所に?


それを今、考えているのだ。


思考が堂々巡りしそうになったので一旦辺りを見渡す。


相変わらず木々は少々の隙間を見せるが青々と広がっている。


こんな所にじっとしていても只時間を浪費するだけだ。


いっそ山の中なら山頂を目指す事もできるがここは森、多少の起伏はあるが見渡すかぎり平地である。


どうしたものか?じっとして救助を待つ?


何故こうなったかも分からないのに期待はできない。


意を決して歩く事にする。


スニーカーでは歩き辛いが歩けない事は無い。


とにかく太陽に向かって歩こう。空を仰ぎ見て目標を探す。


木々に隠れ見え辛いがなんとかなりそうだ。


早く帰らないと失踪事件として地方版に載ってしまう。


そんな事を考えている内にひとつの事を思い出した。否、理解してしまった。


「そもそも俺は誰なんだ?」






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