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この異世界でも、ヤンデレに死ぬほど愛される なろう版  作者: 緋色の雨
第三章

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エピソード 4ー3 女神様は干渉せず、ただ鑑賞するのみ

 ハロルド殿下の部屋。俺がステータスウィンドウの開示を求められて困っていると、側にいたシルフィーが神秘的な光に包まれた。

「お下がりください、ウォルト国王陛下、ハロルド殿下っ!」

 近衛兵達が即座に二人を下がらせる。そのあいだにも光は粒子となって収束を始め――次の瞬間、シルフィーの身体にメディアねぇが降臨した。

 今回は姿形だけではなく服装も違う。例の俺好みの服を着たメディアねぇだ。メディアねぇはサラサラの黒髪をなびかせ、俺に向かってふわりと微笑む。


「メディアねぇ……どうして。直接の干渉はしないんじゃなかったのか?」

「柚希くんが悪いんですわよ。何度も何度も酷いことを言って。わたくしがログウィンドウを使って訴えても、ちっとも気付いてくれませんし」

「……え?」

 俺がなにか言っただろうか? と言うか、なにが書かれているんだろうかとログウィンドウを見るが、そこにはなにも書かれていない。


「自分の口で伝えるために、もう消しましたわ」

 ログウィンドウを改ざんするとか、なんでもありだな……なんて呆れる。メディアねぇはそんな俺の隣に寄り添うように移動して、ウォルト国王陛下へと視線を向けた。


「貴方がグリア王国のウォルト王ですわね」

「そう、だが……お主は?」

「あら、わたくしが分からないのですか……と言っても、この姿で気付といっても無理がありますわね。少し、お待ちなさい」

 直後、メディアねぇの髪が光に包まれ、桜色へと変化する。そしてそれと同時、黒い瞳は深い紫へと変化。俺好みの私服は、淡い水色のドレスへと変化した。


「お、おぉっ、そのお姿はまさしくメディア様! し、知らぬこととはいえ、失礼な口を利き、申し訳ありません!」

 ウォルト国王陛下が感極まった声を上げ、その場に膝をついてかしこまった。そしてそれとほぼ同時、俺を除いた全員が膝をついた。


「さて、最初に言っておきますわね。知っているとは思いますが、わたくしは基本的に、この世界で起きるあれこれに干渉することはありませんわ」

「はっ、女神様が巫女や眷属を通して世界に干渉したのは、この数百年で数えるほどしかない。そのことは良く存じております」

 俺は知らなかったけれど、ウォルト国王陛下の発言に誰も否を唱えないと言うことは、そういうことなんだろう。つまりは、メディアねぇは数百歳以上であることが――いたたっ。

 くぅ~~~、脇腹を抓られてしまった。


「ウォルト王よ。貴方の言うとおり、わたくしは基本的に干渉するつもりはありません」

「だったら、メディアねぇはなにをしに来たんだ?」

 俺が横から尋ねると、他の者達がぎょっとした顔で俺を見た。


「ユ、ユズキよ、メディア様にそのような口を利いてはならん!」

 ウォルト国王陛下が青ざめた顔で進言してくる。そんなウォルト国王陛下を、メディアねぇが不機嫌そうに睨みつけた。


「ウォルト王。貴方はわたくしに喧嘩を売っているのですか?」

「なあぁっ!? わ、私はそこの者に礼儀を教えただけで、決して、決して、女神様に喧嘩を売るなど、そのようなつもりは毛頭ございません!」

「では、余計なことは言わないように。わたくしが、柚希くんにメディアねぇと呼んでもらうのに、どれだけ苦労したと思っているのですか!」

「……は? え、その……苦労、ですか?」

「そうですわ。もっと甘えて欲しいのに、柚希くんは恥ずかしがって。メディアお姉ちゃんとも呼んでくれなくて。せめてメディアねぇと、そのために、わたくしは苦労したのですわ!」

 苦労というか、頑張ってエッチなお姉さんっぽく迫ってきた感じだったけど……とは、さすがに空気を読んで口にしない。


「あ、あの、女神様。質問をお許しいただけるでしょうか?」

 困惑したウォルト国王陛下がおずおずと尋ねる。

「申しなさい」

「はい。それでは……あの、女神様とユズキは、どのような関係、なのでしょう?」

「柚希くんには『女神メディアに見初められた』と『女神メディアの寵愛を受けた』の称号があります。……意味は分かりますわね?」

 その称号が知られているかは不明。だけど、その言葉だけでも意味は十分理解できる。そして、そんな俺と敵対しようとしていた。それを理解したのだろう。

 ウォルト国王陛下は絨毯に額をこすりつけた。


「し、知らぬこととはいえ、ユズキ様に失礼な態度の数々、申し訳ありませんでした。ひ、平に、平にご容赦を!」

「先ほども申しましたが、わたくしは基本的に、人同士のいざこざに干渉するつもりはありません。ですから、ウォルト王。貴方が柚希くんと敵対しても、わたくしは気にしません」

「いえ、その……ははぁっ」

 俺のことを気に入っていると宣言した後に、俺と敵対しても不干渉と言っても、はいそうですかと安心出来るはずがない。

 ウォルト国王陛下も、少し困った様子で平伏した。しかし、そんなウォルト国王陛下の横で、ハロルド殿下が「ならば――」と声を上げる。


「私が、彼の奴隷を召し上げても、女神様は干渉しないと言うことでよろしいのですね?」

「――ハロルド、なにを言い出すのだ!」

「そうですわ、お兄様。いくら女神様が干渉しないとはいえ、そのようなことを!」

「――黙れっ」

 取りなそうとした二人に対して、ハロルド殿下が声を荒げる。そんな予想外の反応に、ウォルト国王陛下とラクシュ王女殿下は目を見開いた。


「ヤンデレ化耐性:Sを持つばかりか、才能と容姿を併せ持つ美少女など、この世界に数えるほどしかおらぬ。俺の野望を叶えるためにも、この機会を逃す訳にはいかんのだ!」

 女神を前に、自分の野心を訴えかけた。ハロルド殿下の瞳は血走っていた。


「くっ、これは――ヤンデレスキルが暴走しているのか! こうなっては仕方ない。衛兵達よ、ハロルドを下がらせるのだ!」

「――はっ!」

 近衛兵のうちの数名が、ハロルド殿下に駈け寄る。


「やめろっ、俺に触れるな! 俺は彼女を得て次期国王の父となるのだ!」

「殿下、許されよ!」

 衛兵達の行動は迅速だった。暴れるハロルド殿下を力尽くで取り押さえ、強引に部屋から引きずり出していった。その後、廊下の方からハロルド殿下の声が響いていたが、やがてその声も聞こえなくなった。


「女神様、大変失礼をいたしました」

「ハロルドがヤンデレスキルを暴走させたのは、わたくしの影響でしょう。ですから、気にすることはありませんわ」

「……そう言っていただけると助かります」

 ウォルト国王陛下がかしこまった。


「それともう一つ。柚希くんが監禁されようと、女の子にエッチされまくろうと、わたくしは干渉しません。ただただ、録画をしながら見守るだけですわ」

 干渉しないのはともかく、せめて録画は止めろぉ……。俺はそんな風にうめく。その思いが伝わっているはずだけど、メディアねぇは答えない。


「あ、あの、女神様にうかがいたいことがあります!」

 突如口を開いたのは、いままでずっと俺の背後でかしこまっていたクラウディアだった。


「もちろんですわよ、クラウディア。なにが聞きたいんですの?」

「は、はい。あの……その。ご、ご主人様にどれだけエッチなことをしても、見守るだけというのは、ほ、本当でしょうか!?」

「――反応するの、そこなのかよ!?」

 思わず叫ばずにはいられなかった。

 そもそも、俺とえっちぃ行為をしても、メディアねぇが怒らないかを心配したのか、はたまたずっと見られていることに興奮を覚えたのか。

 せめて、前者であって欲しいような、そうとも言い切れないような……って、ローズまで「私も気になります」じゃねぇよ。


「安心なさい。さっきも言ったとおり、わたくしは基本的に録画をしながら見守るだけ。これからも、存分に柚希くんに可愛がってもらってくださいね」

「は、はいっ、頑張ります! これからもしっかり見守ってください!」

 そうか、後者だったかぁ……。

 見た目純情なくせに、どんどんエッチになっていくな。いや、良いんだけどさ。と言うか、望むところだけどさ。


「さて、話を戻します。わたくしは基本的に、この世界で起きるあれこれに干渉するつもりはありません。それなのに降臨したのは、柚希くんが酷いことを言ったからです」

「さっきも言ってたけど……なんのことだ?」

 本当に分からなくて、俺は首を傾げる。そんな俺に対して、メディアねぇはなにやら不満気な表情を向けてきた。


「柚希くん、さっきも言いましたけれど、わたくしは基本的に、この世界で起きるあれこれに干渉するつもりはありません。たとえ、貴方が殺されたとしても、ね」

「……それは、分かってるよ」

 不干渉なのは知っているし、俺には不老不死のスキルがある。俺が死んだとしても、メディアねぇが気にすることはなにもない。

 けど、そんな風に言えば、王家が俺と敵対しやすくなってしまう。不干渉だというのはともかく、わざわざそんなことを言わないで欲しい。

 そう思った俺の頬を、メディアねぇが突っついた。


「その顔は、まるで分かっていませんわね」

「……だから、なにを?」

「柚希くんは言いましたわね。たとえ世界を敵に回しても――と」

「あぁ、言ったよ。たとえ世界を敵に回しても、仲間を差し出すつもりはない」

 王家を牽制するために、俺はきっぱりと宣言した。

 だけど、メディアねぇはやっぱり不満そうだ。


「たしかに、グリア国が貴方と敵対する可能性はあります。けれど、わたくしは、柚希くんを心から愛しています」

「だ、だからなんだよ?」

 いきなり愛を囁かれて動揺するけれど、メディアねぇの発言がクラウディアを危険にさらしているのは事実。そんなセリフじゃ誤魔化されないからなと心の中で呟く。

 だけど、そんな俺に対して、メディアねぇは「ここまで言っても分からないなんて、柚希くんは仕方のない男の子ですわね」と、肩口にこぼれ落ちた桜色の髪を指を絡めた。


「世界を敵に回す? ありえませんわ。たとえ世界中の生物が柚希くんと敵対したとしても、世界は――わたくしだけは、貴方の味方ですわ!」

 桜色の髪を指で払い、凜とした声で言い放つ。サラサラの髪が、窓から差し込む夕日を浴びて煌めく。その姿は女神様――というよりは、優しくて頼りになるお姉さん。

 俺は綺麗だな……と、メディアねぇの美しさに目を奪われた。


『ふふっ、わたくしに見とれてくれるなんて、嬉しいですわ』

 ぎゃあああ、心を読まれてた――っ。

『ちがっ、いまのは違うんだ!』

『……違うんですか?』

『いや、その、ちが……わない。――って言うか、世界中の生物が敵対しても、自分だけは味方だなんて、格好よすぎだろ。そんなの見惚れるに決まってるだろ!』

 恥ずかしさのあまりに逆ギレする。たぶん、いまの俺の顔は真っ赤になっていただろう。


 それはともかく、俺とメディアねぇが心の中で会話しているあいだ、メディアねぇの宣言を聞いた者達は沈黙している。

 女神にあれだけのことを言われたんだ。俺と敵対視ようなんて想う気は起きないだろう。直接干渉しないって言ったくせに、以外とツンデレだよな。


「さて、わたくしは戻りますわ」

 メディアねぇはかしこまっている者達に向かって宣言。

 俺に視線を向けると「それじゃ柚希くん。また会いましょうね」と、とびっきりの笑顔を浮かべ、光の粒子となって消えてしまった。



 とにもかくにも、メディアねぇは神の領域へと帰っていった。そうして残されたのは、俺とクラウディアとローズとシルフィー。そして、王族二人とフィーミアと近衛兵達。

 大半の者達は放心しているようなので、俺はわざとらしく咳払いをする。その瞬間、ウォルト国王陛下はびくりと肩をふるわせた。


「ウォルト国王陛下にお尋ねします。……まだ、クラウディアを奪うおつもりですか?」

「――い、いえ、とんでもありません」

 ウォルト国王陛下は即座に否定した。

 メディアねぇがあんな風に言ってくれたからたぶん大丈夫だとは思っていたけど……本人の口から聞けて、俺はひとまずの危機は去ったのだと安堵する。

 そうして、かしこまったままのウォルト国王陛下に「分かりました。まずは立ってください。それに、俺に対してかしこまる必要もありません」と進言する。


 メディアねぇの威光を笠に威張るつもりはないという意思表示。けれど、それがなければ俺からクラウディアを奪うつもりだった王族を、以前と同じように敬うつもりもない。

 だから俺は、立ち上がった国王陛下と真っ正面から向き合った。


「本当に、クラウディアに手を出すつもりはないんですね?」

「もちろんだ。女神様は干渉しない――とはおっしゃったが、敵意を抱かないとはおっしゃらなかった。女神様のお気に入りであるお主に手を出すことなどありえん」

 本心だろう。それに、メディアねぇが干渉せずとも、精霊のアルミスの件がある。どのみち、俺と正面から敵対することはなさそうだ。

 ただ――


「手を出さないとおっしゃいますが……ハロルド殿下は諦めていないように思えます。今後どうするつもりか、ウォルト国王陛下のお考えを聞かせていただけますか?」

「……そう、だな。二度と手を出させないと約束する。それだけで足りぬか?」

「そう、ですね……」

 俺は意見を求めようと、クラウディアに視線を向けた。ハロルド殿下の行為に怒りを抱いているのは俺だけど、被害に遭ったのはクラウディアだから。

 そして、俺がクラウディアを大切にしているというのを印象づける意味もある。


「クラウディアはどう思う?」

「あたしは、ご主人様専用のとってもエッチな奴隷です。だから、ご主人様にお任せします」

「……分かった」

 分かったけど、いまこのタイミングで、奴隷という言葉の頭に、わざわざとってもエッチなと付ける必要はなかったよな? とか思ったけど、取り敢えずスルー。

 どうするべきか――と俺は考える。


 知の枠組み。つまり、社会の常識は時代や国によって違う。

 だからハロルド殿下のしたことは、結果的に女神を敵に回しかねない行動だっただけで、罪を犯した訳ではない。

 それが、彼らの認識であり、この世界にとっての常識。

 であれば、ウォルト国王陛下の提案は妥当で、ここでハロルド殿下に罰をと願うのは、理不尽な要求になるのだろう。

 俺としても、この世界で日本の法律がどうのと言うつもりはない。だから、これが妥当な提案であるというのなら、それを受けるのはやぶさかじゃない。

 ただし、クラウディアの安全確保は絶対に譲れない。


「条件があります。ハロルド殿下には、二度と俺達に危害を加えない――と、ローズと契約させてください。それが、俺からの条件です。ローズ、お願いできるか?」

「もちろん、問題ないよ。ウォルト国王陛下がお受けになるのなら、ですけれど」

 俺が問いかけると、ローズはウォルト国王陛下に視線を向けた。


「そうか……お主のその金色の瞳は魔眼だったな」

「ええ、私が持つのは契約の魔眼。私が魔眼の力を使って契約をした相手は、契約を破棄するまで、決してその約束を違えることは出来ませんわ」

「なるほど、な」

 ローズの説明を聞き終えたウォルト国王陛下は頷き、俺へと向き直った。


「お主達の安全を契約で誓えば、お主は納得してくれるのだな?」

「ええ。ローズの契約の魔眼はAランクに至っています。周囲の者が協力しなければ、決して解除することは出来ないでしょうから」


 口約束だけでも、王家はおそらく全力で守ろうとしてくれるはずだ。けれど、万が一という可能性は否定できない。

 その可能性を減らすために、契約の魔眼を使う。


「……分かった。その条件を呑もう。我ら王家は、お主達に決して手を出さぬ。女神様や精霊様の不興はもちろん、ユズキ、お主に不興を買うような真似はしないと誓おう」

「ありがとうございます。それともう一つ。俺がアルミスやメディアねぇに気に入られているというのは、秘密にしておいてください」

「それは……なぜだ?」

「俺が、自分の力で服職人として認められたいから、です」

 メディアねぇのお気に入りだなんて周囲に周知されてしまったら、俺に取り入る目的で服を褒め称える者が出てくるだろう。ただでさえ異世界の知識を使っているのに、服の出来映え以外の理由で評価されたくないと言うのが俺の本音だ。


「なるほど。それはかまわぬが……お主の立場を知らなければ、そこの娘を狙う者が出てこないとも言い切れんぞ?」

「もちろん、クラウディアのヤンデレ化耐性についても秘密にしておいてください」

「しかし、今回の騒動は知れ渡っている。なにも言わないというのは、逆に秘密を探る者が出てくると思うのだが……」

「それは……」

 たしかにその通りだと思った。どうするべきかと考えていると、ラクシュが口を開いた。


「王族にだけアルミスの一件を伝え、箝口令を敷くというのはいかがですか?」

「アルミスの一件だけ、か? なるほど……」

 ラクシュの提案を聞いて、国王陛下が頷く。


 アルミスの一件、俺はあまり重要視していなかった。けれど、メディアねぇが降臨しなくても、アルミスのお気に入りであることを証明すれば解決していただろう。

 そういう意味では、俺に取り入ろうとする連中が出てくるかもしれないけど、メディアねぇとの関係を知られるよりはマシ。

 夢とクラウディアの安全、両立するにはありな選択だ。


「ウォルト国王陛下、お願いできますでしょうか?」

「うむ。わしとしても、その方がやりやすい。その方向で纏めさせてもらおう。……ラクシュよ、よくぞ申してくれた。アルミス様の件もそうだ。お主には感謝している」

「いいえ、お父様。わたくしはわたくしで、目的を果たすために必要なことをしているに過ぎませんから、気にすることはありませんわ」

 少し熱を帯びた瞳を俺に向けてくる。ラクシュ王女殿下の言葉が、エッチなドレスの一件を指しているのは明白だった。

 そしてそれを理解したのだろう。ウォルト国王陛下は渋い顔をした。


「ユズキよ。アルミス様やメディア様のお気に入りであるお主に敵対するつもりはない。つもりはないが……ラクシュは我が愛娘。分かっているだろうな?」

「ええ、ご安心ください」

 ウォルト国王陛下に凄まれた俺は苦笑いを浮かべた。


 呆れた訳じゃない。メディアねぇの威光を恐れながらも、娘のことを心配している。そんな父親らしい一面を知って、思わず笑いがこぼれたのだ。

 ……ヤンデレスキルの影響で、娘を溺愛している可能性も否定できないけどな。


 とにもかくにも、クラウディアへの危機は去った。あとは、ラクシュ王女殿下がご所望の、淫乱プリンセスにふさわしい、清楚でエッチなドレスを作るだけだ。

 

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