~オオドエ村~1
まず俺が向かったのは、オオドエ村。
ここは、僧侶のベルと出会った場所、そしてベルの故郷。
初めにこの村に立ち寄った時には、道中何度もモンスターに襲われ何度も逃げてなんとかこの村にたどり着いたが、魔王を倒した今では、道中モンスターに襲われることもなくスムーズにたどり着いた。
この村は、以前はモンスターに何度も襲われそうになったらしいがこの村の屈強な男達の手によって村の平和は保たれており、何よりこの村の人達は陽気だった。
特に夜は酒場で毎日どんちゃん騒ぎでそんな酒場でベルと出会った。
初め会った時の衝撃は今でも憶えている。
酒場にいる屈強な男達の中心にいて、腕相撲で力比べで男達を連続で倒していた女の子がいた。
それがベルだった。
酒場の男達を全員倒し、隅で飲んでいた俺が指名された。
「俺は、女の子にも手加減はしない。それでもいいか?」
「こんな細いやつに負けるわけないじゃない。
なんなら両手を使ってもいいわよ~」
そうして、俺はベルと戦うことになった。
結果はもちろん…
惨敗だった。
片手ではもちろん
お言葉に甘えて両手も使ったが
惨敗だった。
まさかそんな女の子と共に旅をし、そして魔王を倒すことになるとはこの時夢にも思っていなかった。