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結婚披露宴で泣くな!  作者: 餃子ぱふぇ
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 家に着いたのは八時過ぎ。腹が減った。母は夕飯を用意しておいてくれていた。食卓には両親がいて、その日あったことを話すというのが日常の光景になっている。だからこの日もあの粗相について話すことにした。

 「あんただって最初は一人じゃ何もできなかったんじゃないの?助けてあげなさいよ、ちっちゃい男だなあ」

と母には言われた。確かにあの子を助けることができれば格好いいとは思う。先輩にも言われた通り僕らが引っ張っていかなければ、披露宴でのサービスはどうしようもないものになってしまうに違いない。だからと言ってなぜ、ただのバイトの僕がそこまで重荷を背負わなければならないのだろうとも思う。新郎新婦、お客様には良い思いをしてほしいのだけれど、どうも自分が動くとなると一歩引けてしまう。

 そうそう、会場「アース」の口コミは他会場よりいい評価を受けていて、迎えられるゲストの数が最も多いことからも、「マリクス」のメインバンケットとされている。だからお偉いさん方もアースの会場責任者、入内島さんへの注文も非常に多い。まだ二十四歳という若さながらもこの会場を任されているのは、あの人の若さゆえのパワフルさと、何事も気合で乗り越えようとする性格が関係するのではないかと思う。

 この会場で働く以上プライドを持つというのが式場からのバイトへの要求であるのだが、もちろん僕はそんなものを持っておらず、別に人気の会場になんてならなくていいのにと思っている。

 いつも感じている想いに変化がないことを確認した。僕は風呂に入ってネットサーフィンでもして寝ることにした。明日は月曜。また一週間大学生活が待っている。そしてまた土曜、日曜はバイトだ。バイト少し減らして休みを作ろうかなぁ、と思いながら目を閉じた。

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