2-40 武闘大会 3 正義の仮面
吹雪裕也は、悪そうな男たちのボスに挑発をした。
「いいからかかって来な。筋肉ダルマ!」
と言いながら、”光の剣”を4本連続で放った後、更に右手の剣で斬撃波を放った。
その攻撃で、ボス以外は全て地面に血を流しながら倒れた。
「な!馬鹿な!」
と言っている、ボスに吹雪裕也は剣で切り込んだ。
「ぐあっ」
ボスは吹雪裕也の剣で切り刻まれ吹っ飛んだ。そして、吹雪裕也が剣を振りかぶり近づこうとした時、
「きゃー!」
と少女が叫んだ。
吹雪裕也の動きが止まり、そしてボスが喋る。
「おっと、そこまでだ。動くと女の命が無いぜ。」
吹雪裕也は動けない。
少女の足元からスライムらしきものが這い上がっていて少女を腰まで取り込んでいた。
「そうだ動くな。おっと、俺を殺すと制御が効かなくなって、女が死ぬぜ。」
吹雪裕也は剣を捨て、手を上げ降参のポーズを取った。
□
吹雪裕也が強いので俺たちは黙ってみていたが、これはまずい展開になった。
「真美子助けるぞ。これを付けて。」
俺は真美子にピンク仮面を渡した。仮面舞踏会などで使う仮面だ。ピンクは俺の趣味だ。
「これは?」
「変装の仮面だ。これなら顔がバレない。」
一瞬真美子は微妙な表情をしたが、緊急を要する事態だったので素直に受け取った。
「わかったわ。私はどっちを助けに行く?」
と言いながら真美子はピンクの仮面をつけた。
俺も黒仮面を付けなが言う。
「真美子はあのボスを倒してくれ。俺はスライムを無力化する。」
「わかったわ。」
真美子は剣を抜き構えた。
よし、これで正義の仮面の誕生だ。
一度やってみたかったんだよ。これ。
□
ボスは吹雪裕也の腹を剣で刺し始めた。
「そうだ。坊主。そらそらそらそら!ぎははっは!」
ザクザクザクザク!
吹雪裕也は苦痛で顔が歪む。
黒仮面の俺は、少女の後ろに転移し、スライム低温にして動きを鈍らせてから核を潰した。
そして、スライムの残骸を魔法で風化させ、少女を抱き上げる。
我ながらカッコいい。少女に意識があったなら抱き付いてくるだろう。
ピンク仮面真美子は、ボスに瞬歩で近寄りながら剣を振るう。
ガキーン!
がらん!
とボスの剣がピンク仮面真美子の剣で叩き落される。更にピンク仮面真美子は剣を振る。
しゅん!
すぱん!
ぶしゅ!
ボスの首が飛んで、血が噴き出す。
真美子、人間相手に容赦ないな。
ピンク仮面真美子は吹雪裕也に話しかけた。
「大丈夫?」
その男性はピンク仮面真美子を見た後、少女の方を見る。黒仮面の俺のいる方向だ。
少女を抱きかかえている黒仮面の俺と吹雪裕也の目が合う。
殺気が籠ってるよ。たぶん助けたようとした女が取られると思ってるんだろう。
男なら襲われてる女の子はヒロインだ。ここは美味し所は譲らなきゃ。
俺はこの”少女のあとを任せる”と言おうとしたが、
吹雪裕也はバックステップをして距離を取り、戦闘態勢を取った。
「何者だ!」
不味いな、吹雪裕也は興奮状態だ。
「あ、心配しないで、彼は私の仲間よ。少女はもう大丈夫だから。」
とピンク仮面真美子が言ってくれたので、吹雪裕也の殺気が和らいだ。
「そうだ。ここに置いてくから。」
と黒仮面の俺は言って、少女を地面に降ろし吹雪裕也を落ち着かせた。
助け終わったので黒仮面の俺は帰ろうと思い、ピンク仮面真美子に目線を送った。そうだ、長居は無用だ。
ピンク仮面真美子はゆっくりと黒仮面の俺に近づき、黒仮面の俺はピンク仮面真美子を抱きかかえ転移した。
◇
俺と真美子は宿屋に戻った。
正義の味方をして気分が良かったのに、真美子がクレームを付けてきた。
「テツさん何よ。あの仮面の色は!」
「いいセンスだろ、あれなら顔もばれないし。」
「ピンクは無いでしょ、普通は赤と黒でしょ。」
「いや、真美子にはピンクがいいなと思ってさ。」
「もう。次は赤も用意してよ。」
くっ!ピンクの下着なら喜んで着るくせに。




