2-34 聖獣召還魔導書
次の日は愛美さん達のレベル上げに行った。
愛美さん達は俺が指導しない日でも”勇者試練のダンジョン”に入ってレベル上げをしているそうだ。
何でも、中央国家の武闘大会に小国の代表で出場するとの事だ。
俺と真美子は、明日、シンシーアの領地へ行く。
真美子レベル上げの日が潰れてしまうので、夜、俺は”勇者試練のダンジョン”に2時間くらい真美子を連れて行った。
魔王を倒す女勇者が怠けてちゃ駄目だからな。
◇
次の日待ち合わせていた公園に来た。
シンシーアとシンテガが待ってた。
2人とも昨日と違って、俺達が来たら眼鏡をはずして挨拶をしてくれた。
2人とも凄い美形だった。
シンテガはかわいい系のイケメンだ。
シンシーアも可愛い系の美少女で、年齢は真美子と同じくらいだな。胸の大きさもいい感じである。
真美子はシンテガに話しかけている。
俺は真美子が気になったが、シンシーアに話しかけられたので魔導書について少し話した。
「お待たせいたしました。転移ゲート魔法陣のご用意ができました。」
とシンシーアとシンテガの従者が言ってきた。
俺達は、シンシーアさんの領地の屋敷へ転移した。
◇
そこは中央国家の北に位置する。伯爵家であった。
豪邸というよりお城に近い。
執事やメイドが沢山出て来て挨拶をされた。
「それでは、こちらですの。」
とシンシーアさんに連れられて、書庫に俺達は向かった。
その書庫は、召還の魔導書のほかに禁呪の魔術本など、興味深い本がたくさん置いてあった。
真美子とシンシーアさんが話し終わったみたいなので、俺は”聖獣召還の魔導書”がどれなのか聞いた。
「シンシーアさん、聖獣召還の魔導書ってどれですか?」
「あ、はいこれなの。」
と1冊の古びた本を、シンシーアさんは俺に差し出した。
持ってみると結構分厚い。
「少し時間をくれないか?」
「はいなの。」
俺は近くの椅子に座り、読み始めた。
ちょと文字化けが残ってる。
”侵食”をすれば早いのだが、それを使うと魔導書が消えてしまう。
俺は”解析と情報収集”をフルに活用した。しかし古い文字が混じっていて文字化けが厳しい。
内容は”解析と情報収集”で大体分かるのだが、この文字化けを何とかしないと改良が出来ない。
何故改良したいかというと、この魔法陣の発動方法は”処女”とか”童貞”の条件付きだからだ。
俺や真美子でも使えるようにしたい。
参考に他の魔導書を借りようと周りを見たら、3人は暇そうにしていた。
俺は時間が結構かかると3人に言いい、数冊の魔道本や語学辞典などを借り、用意してくれた部屋に籠って”解析と情報収集”の続きした。
◇
魔導書の解析が終わり、俺は少し部屋で休んでいた。
しばらくすると、真美子とシンシーア達が様子を見に来た。
俺は、本の解読できたので使い方を教えると言った。
3人は真剣に聞いてくれた。
以下が使い方だ。
①聖獣召還は処女の血か童貞の血が必要。
②召喚した聖獣は戦って主従関係を構築しなければならない。勝たなくても認めてもらえばいい。
③召喚時の魔力によって召還できる聖獣の格が変わる。
とりあえず、召喚するシンシーアは処女だということを祈る。
でなければ、口止めしてから改良魔法陣を使うか、もしくは俺と真美子が魔族の討伐だな。
「それならわたしは処女だから召還できるの。」
シンシーアさん処女だったか、良かった。
「シンシーアさんそれでは、いつ召還の儀式を行いますか?」
「早い方が良いの。明日召喚するの。」
「わかりました。」
シンシーアはLV513だから②と③も大丈夫だろう。
◇
次の日、お屋敷の東に開けた岩場があるので、そこで聖獣を召還することになった。
愛美さん達のレベルアップは日にちをずらしてもらった。
俺と真美子とシンテガ、騎士団長が付き添って召還をする。
シンシーアはLV513、魔法は水系統と光系統が得意だ。剣技はあまり得意じゃないみたいだな。
まあ、シンシーアはそのレベルにしては魔法の威力が高いから大丈夫だ。
俺がサポートをして、シンシーアが魔法陣を描き、一滴血をたらした。
魔法陣が光り、ゆっくりと光の獣が出てきた。
大きなシーサーみたいな聖獣が現れた。光雷獅子LV806だ。
「我を召還したものは、誰だ。」
「わたしなの。」
「力を見せよ。我に攻撃をして、傷づ付けることが出来たら使い魔となろう。」
そして、シンシーアが光の上級魔法放った。光雷獅子はケガを負い。シンシーアを主と認めた。
ビックリしたことに、シンテガも召喚儀式を行うと言いはじめた。
シンテガほどのイケメンなら、いくらでも機会があったんじゃないか?
すごい奥手なんだな。
という感想は置いておいて、シンテガは女性型の精霊聖獣LV902を呼び出した。
何故かその女性型の精霊聖獣、花女蜥蜴は、シンテガを一目で気に入って戦わずに主と認めた。
イケメン力恐るべし。
俺も召還聖獣が欲しくなったので、「俺も呼び出すかなって」と呟き、みんなから少し離れた。
真美子が俺に付いて来て、魔法陣を作ろうとした俺に小声で言った。
「テツさん何やってるの、テツさんじゃ条件①がクリアしてないじゃない。」
それを言うなら、真美子も①ダメじゃん。
「大丈夫だ書き換えたから。」
「え?何言ってるのよ。」
俺は、召還魔法陣改良版を描き発動させた。
その魔法陣からは、光り輝く20センチくらいの女性の人型が現れた。
その女性の人型は羽が生えていた。あのおとぎ話の妖精だった。
ステータスを見たら、妖精女王シルダファンLV2403
「あれ、ちょっとレベルが低いな、書き換え方がまずかったかな?」
書物には、召還者と同等のレベルかそれ以上のレベルの聖獣等を、召還できると書いてあった。
これじゃ、俺よりレベルが低い。明らかに魔法陣の書き換えの失敗だな。
「人間よ。妖精の光の女王たる私を召還して何をいたす。」
お、喋った。
「あ、わりい、キャンセルしてもいいか?」
「無礼な、人間、これでも食らうがよいわ。」
シルダファンは光の収束砲を放ってきた。
「危ないテツさん。」
と真美子が叫ぶ。
俺は瞬時に戦闘モードに移り、魔力を収束して手に纏わせ、その光の収束砲を上空に逸らした。
ちょっと痛かった。こっそり自分の手に回復魔法をかけた。
「なんと、おぬし本当に人間なのか?」
とシルダファンは驚いていた。
ちょっとこのまま女性の妖精と戦うなんて、ファンタジーじゃ禁止だろう。俺が悪役に見える。
「ああ、でも、シルダファンさん俺はあなたと戦いたくない。」
と言いながら、俺とシルダファン、真美子を外部に認識阻害するだけの特殊結界で囲み、俺は認識阻害の指輪を外した。
これで俺の強さをシルダファンは認識して、戦わないでくれたらいいんだが。
ちなみに俺のレベルはLV3001。
シルダファンの顔が一瞬引きつった。納得してくれたんだろう。
「わ、わかった、お主とは戦わない。わらわはお主を主と認めよう。いつでも呼ぶがよいぞ。」
そしてはシルダファンは魔法陣で帰って行った。
俺は認識阻害の指輪をはめなおし、特殊結界を解いた。
真美子は口を開けっぱなしだった。
俺はその口に指でも入れてあげようかと思っていたら、シンシーアとシンテガが駆け寄ってきた。
「大丈夫なの?さっき妖精女王LV2403があらわれなかったの?」
「え、ああ俺のこと気にいったって言ってくれて、主になったよ。モテる男はつらいな。なあシンテガ。」
「え?あそうなんだ。」
「でも、テツさんは、①の条件クリアしてるんだ。僕と同じだったんだ。感激だよ。」
お、そう言う事にしておこう。
「おお、同士よ。よろしく頼む。」
「そうだ、真美子も、何か召還するか?」
「私はいいわ。」
え、要らないのか勿体ない。あとで妖精女王シルダファンを真美子に付けるか。
「真美子さんも召還できるなの?」
「ええ、出来ますけどやりません。」
いや、召喚出来るのは、俺が書き換えた魔法陣だけだろう、真美子。
「え、真美子さんて召喚出来るんだ。僕にも希望が。」
む、シンテガ、真美子に気があるのか?気を付けよう。




