7話 林健吾 2
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猫耳メイドはこう言った。
「よろしければ、今晩私に夜の御供をさせて下さい。」
「え?なに?」
「私はカラクリの勇者様専用に買われた奴隷メイドです。何でもしますので、御傍に置いてください。」
・・・・オレ専用の奴隷メイドだって!素晴らしい!実に素晴らしい待遇じゃないか!
「えっと、ホントに何でもしていいの?」
とオレは欲望の眼差しで見つめながら言った。
「はい。」
と俯いて、返事をする猫耳メイド。
オレは躊躇した。女の子は震えていたのだ。
「何か訳ありなのかい?話してごらん。」
と優しく言った。
「はい。勇者様。」
・・・・
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猫耳メイド、名前は、ミミナ
今回の件は、簡単に言えば俺に気に入られないと、オレ専属奴隷から外されてしまい、病気の両親に送る金銭が無くなるからだそうだ。
別の仕事で稼げばいいじゃないかと言ったら、猫耳族には限られた仕事しかなく。奴隷への身売りが一番金額が多いそうだ。
この世界に疎いオレは、詳しく話を聞いた。
この世界では、猫耳族と犬耳族は戦闘能力が低く、村や町を作っても、他の種族から侵略されてしまうという。そこで、他の種族に取り入って暮らしているとの事だ。特に人族は、猫耳族と犬耳族の外見が好ましく思う者が多く、奴隷として買い取ってくれるそうである。
オレは、そういう事ならと不憫に思ったので、夜の御供を頼んだ。
「それじゃ、夜の御供を頼むよ。」
「はい、勇者様。」
といって、二人はベットに入った。
しかしベットに入ると、ミミナはチジこまって震えてるだけで、どうにもバツが悪い。
「もしかして、こういうの初めて?」
「はい、ごめんなさい。」
ちょっと可哀そうになった。
「今日は、横に添い寝だけでいいよ。」
「済みません。」
ミミナは何度もあやまってきた。
オレは、ふかふかの猫耳の感触を楽しみながら寝入った。
・・・・え?なに紳士すぎるって?
理由は、二つあった。
一つ目は、恋人の三田村真紀菜の時、無理やりヤッテしまったら、逆にすごく惚れられて、俺の部屋に転がり込み、オレにべったりになった。
更にエスカレートして、オレが他の女の子と話してるだけで、やきもちを焼き、ついには刃物まで持ち出す始末になった。
ちょっとしたトラウマである。
この子とは、合意の上でしたいと思う。
二つ目は、LVアップを一日中していたので、全身筋肉通だったりする。
とにもかくにも、オレの勇者生活は始まったばかりだった。
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次の日も、LVアップを続行した。
他の勇者は、もうダンジョンに入っていると聞いたからだ。
そろそろ、ゴブリンを倒そうかな。
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とそれから5日位過ぎたころ。
LVも上がりミミナとも仲良くなった。
そろそろダンジョンいって、帰ったら今日こそミミナと・・・・。
と考えて午前中、準備をしていたら、ドアが叩かれる音がした。
ドン!ドン!ドン!
何処かで聞いたやかましいノック音だ。
うるさいなぁと思いながら、ドアを開けると!
「健吾!会いたかったわー!」
といって抱き付いてきた。
抱き付いてきたのは、三田村真紀菜であった。
「よお!」
とその後ろで、片手を上げて挨拶してくる人物がいた。
井中哲次郎、オレの友達だった。