6話 林健吾 1
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ズシャ!
ブス!
ザキ!
草原の中、誰かが何かに剣を刺している音がする。
ライトアーマーを着た男が、スライムに剣を突き立てていたのだ。
スライムは、核を突かれて崩れ落ちる。
「ふう!ゲームと違って生身でやっるとしんどいなー。」
男が愚痴を漏らす。
「大丈夫ですか勇者様。」
と神官の様な服を着た者二名が、その男に近寄って行った。
そう、ここは異世界。
スライムを倒している男は勇者だった。
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オレの名は、林健吾。
最近異世界に勇者として来た者だ。
十人の勇者が協力して、大魔王を倒し、”魔神の欠片”を手に入れるという”十勇者ミッション”に参加している。
このミッションが成功すると、俺は神様から不老不死とハーレム王国をもらうことになっている。
オレが魔法陣を使って、神様のもとに行ったときは、この”十勇者ミッション”は既に始まっていた。
しかし幸運なことに、カラクリの勇者が不人気のため、その座は欠番でこのミッションは始まっていたのだ。
そのため、参加できる空きがあるという。
オレは悩んだ。
別に選べるミッションは二つあった。
①勇者としてLV1から魔王を倒し”魔神の欠片”を手に入れるハードなミッション
20人ほど挑戦したが、すべて失敗に終わった。
半分以上が死亡、四分の1が行方不明、残りが、あきらめて、現地に家族を持って生活。
②ドラゴンバスターとなって、魔竜王を倒し”魔神の欠片”を手に入れるミッション
新しいミッションなので、難易度は不明。
しかし、オレは”十勇者ミッション”を選んだ。
何故かって?
そりゅあ、十人の勇者で大魔王をフルボッコ出来る方が簡単そうじゃない。
という事で、オレは付き人の神官戦士と草原にいる。
LV1からなので、先ずはLVアップだ。
このミッションは、1年の間、LVアップの猶予がもらえるのだが、オレは遅れて参加のため、十カ月半位しかない。
ということで
今オレは、異世界転移初日なのに、スライムを倒しまくっていた。
その日、オレの体はスライムまみれで、変な臭いがした。
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城に帰ると、俺の部屋が用意されていた。なかなかいい部屋だ。
他の勇者も同じく部屋があるらしい。
湯あみをして、昼間のスライムを落として休んでいると、ドアをンックする音が聞こえた。
「勇者様。お食事をお持ちしました。」
とネコ耳メイドさんが入ってきた。
オレはマジもんの猫耳メイドを始めて見た。
『ヒャッハー猫耳メイドだぜ!』とか叫びたくなったが我慢した。
「ありがとう。」
と言って食事をとる。
何故か猫耳メイドは帰らずに待っていた。
「御馳走さま。美味しかったよ。」
と食器を返したら、
「あのー、」
と話しかけてきた。
5話修正。バグモンスをRVPへ名称変更
0話挿入。タイトル変更、解説補充。
色々変更しました。済みません。