2-8 武器屋とか
その夜、真美子は夫婦とか言っておきながら、夜は別々の部屋で寝るとか言い出したんだ。
俺はその時、精力5/99だったので、そのまま別の部屋で寝た。
やっぱりいいように利用されてるのか?
◇
次の日
朝起きると精力33/99に戻っていた。TPも1増えていた。
朝のマグナムも少しは硬かった。あとすこしでホワイトバレットが撃てるようになる。
それはともかく、明日からダンジョンなので、防具と武器をそろえなければならない。
前の異世界では、レイカと戦った後、防具と武器をほとんど付けていなかった。
その辺の魔物なら、風の魔法で何とでもなったからな。
そして、最後の”RVP”相手の時は、武器など無意味なので、持って行かなかったのが今回の無装備の原因だ。
認識阻害アイテムとかは付けていたから、その点については助かっている。
俺は真美子の部屋に行き、武器屋に行くと言って装備を買いに行こうとしたら、真美子も付いてくると言い出した。
◇
そして、今武器屋にいる。
真美子は、店の娘さんに勧められて胸当てを見ている。
真美子が行きつけの店だと言うから来たのだが。
「おいおやじ、なんでこんなに武器と防具の種類が貧弱なんだ?」
俺は、いいとこ中級冒険者までしか使いそうもない武器を眺めながら、武器屋のおやじに文句をつけた。
この武器屋は町はずれに在る。
しかし、結構大きく立派な建物だった。儲かっているんだろう。
だから、もっと良い武器があってもいいはずだった。
武器屋の店主のおやじは頭にバンダナを巻いて、小さい娘さんと接客をしている。
おやじは筋肉隆々の男だが、娘が側にいるので、凄く優しい顔をしていた。
「これは、申し訳ありません。実は、この国の武器職人は、数年前の魔族の襲来の後、中央国家に逃げちまったんですわ。」
「武器職人が逃げた?」
「ええ、魔族の襲来の後、この小国では、武器職人に強制的に安く武器を作らせていたものだから、怒って逃げたんですよ。」
そりゃ逃げるか。
「そうか、でも武器を他国から仕入れればいいのではないか?」
「その仕入れも、小国が管理していて、勇者に優先的に回るようになっているんですわ。ここにある物しか結局残ってないんです。」
それじゃ仕方がない。まあオレはLV954だから、武器無しでも大丈夫だけどな。
「わかった。そこのライトアーマーと鋼のロングソードをもらおう。」
「はい、ありがとうございます。」
真美子も買うものが決まったらしく、店の娘さんと一緒に胸当てを持ってこちらに来た。
「私はこの胸当てとその鋼のロングソードね。」
「はい、ありがとうございます。これ、サービスです。」
と店の娘さんは、砥石を2つくれた。
「それじゃ、真美子道具屋に行こう。」
「はい。テツさん。」
俺達は、道具屋と雑貨屋に向かった。
その2店で町の地図や、ダンジョンの地図および情報ブックも買った。
真美子も持っていたが、個人で持っていたほうが後々重宝するからな。
その買い物の間、真美子はチョコチョコと俺に付いて歩いていた。
日本のにいる俺の妹も、幼い時こんな風に俺に付いて来たっけ。
これじゃ、夫婦というより、兄弟だな。
◇
買い物が終わって、お昼近くになった。
「真美子、お昼はどうする?」
「昨日町でトラブルを起こしたから、お弁当でも買って宿屋で食べようと思うんだけどテツさんは嫌?」
確かに、昨日町で乱闘したからな。しばらくは町はずれの店か、真美子の言う通り弁当だろう。
しかし、手料理とか言わないのか、残念だ。弁当なんだ。
まあ、今どきの少女に言っちゃ駄目か。
でも、真美子って18才だよな。日本でも結婚できる年齢だし。
「嫌じゃないよ。それでいい。でも真美子の手料理は食べられないのか?残念だな。」
「え、ええ、手料理は、また今度ね。」
そう言って、真美子は俺から目線をそれした。
やっぱり、料理は無理か。
その後、宿屋の俺の部屋で一緒にお昼を食べた。
お昼を食べながら、真美子は俺にいろいろと聞いた。
「ねえ、テツさんの好きな色は?」
「そうだな、ピンクと黒だな。」
「え?テツさん、ピンクの服とか着るの?」
「いや、ピンクの服は女性に来てもらうのが嬉しい。」
「あ、そう言う意味ね。」
「真美子は、どんな色が好きなんだ?」
「私は、赤とピンクよ。」
「そうか、それじゃ、ピンクの服を今度買ってあげよう。」
「え、赤がいいわ。ピンクじゃ自分で可愛いって言ってるみたいだから。」
「そうか?真美子なら可愛いから、ピンクがいいぞ。」
「え!本当。」
と真美子はちょっとほほに両手をあてた。
「ああ、本当だよ。」
真美子は俺を数秒見つめた。
だが、突然目を見開いて手を下におろし言った。
「あ、そんなこと言って、今日早速エッチな事するんでしょ。」
あ、口説いてると思われちゃったかな?でも、夫婦だよな。エッチ駄目なのか?
まあ、俺は精力33/99なので特にがっつく状態じゃないが。
「いや、別にエッチしたいから褒めてるわけじゃないよ。」
「ほんと?」
「ほんとに真美子が可愛いと思ったんだよ。」
「そ、そうなんだ。」
「でも、俺たち夫婦だよな。」
「え、そうよ。」
「エッチにそんなに反応されても困るんだけど。」
「そ、そうね。でも、初めてはもっとロマンチックなのがいいの。」
そう言えば、”ロマンチックに口説いたらいいわ。”って言ってたな。
「わかったよ。ロマンチックにだったな。」
「そうよ。テツさん。」
その後真美子は、好みの食べ物とかを聞いていきた。
真美子はとても元気だった。ついこの間パーティが全滅したとは思えないほどだ。
俺はそんな真美子に見とれ始めていた。
神から逃げ、緊張続きだった俺の心に、あたたかな日差しが差したようだった。
でも、明るすぎないか?
無理しているかもしれない。
そうだな、この子にはもう俺しか頼る人がいないのだ。
俺で良ければ、この子が本当の明るさを取りも戻すまで、付き合ってあげたいな。
そして、またその夜も別々の部屋で寝た。




