2-3 城下町へ
俺が朝食の準備をしていると真美子が起きた。
「あ、テツさん起こしてくれればよかったのに。」
「あ、おはよう。真美子さん。」
とニッコリと俺は挨拶をした。
真美子はぐっすり眠れたみたいだ。昨日と違っていい顔になった。
「おはよう。テツさん。」
「朝食を食べたら俺ちょっと寝るわ。いいかな?真美子さん。」
「あ、はい。」
と2人で朝食を食べた後、俺は横になった。
念のため、周りに魔力の自動結界を出して寝た。
しかし、神の追っ手もまだあるのか無いのか不安だ。
おかげで、浅くしか眠れない。
お昼頃になって俺は起きた。
どうやら、世界は平和みたいだ。
TPを確認した。しかし、1ポイントしか増えていない。
なんてことだ。ぐっすりなないと駄目なのか?
その後、真美子に、外に積んでおいた魔物の死骸の山について質問された。
「夜、結界の外で五月蠅いので倒した。」
と言っておいた。
真美子は口をあけて俺を見つめていた。
駄目だろう、年頃の子がそんなアホ面しちゃ。
その後、昼を食べてから町に向かった。
◇
2人は山道を歩いていた。
2人とも、大きな荷物を背負っている。魔物の素材だ。町でお金に変えるためだ。
もちろん索敵魔法を使ったり、周りの気配など気にしたりしながら進んだ。
真美子は、索敵魔法とかは使っていないみたいだ。まあ放出系の索敵じゃない魔法かもしれない。
放出系じゃ無ければ第3者にとって、その人が魔法を使っていることは分からないからな。
「真美子さん。町までどのくらいかかるの?」
「歩きだと、あと4日って所かな、走れば2日半かな。」
「そんなに遠いのか?」
ちょっと遠いな。転移を多様していた俺には野営は堪える。
「ええ、だって、昨日のようなゴブリンのいた場所の近くに人は住めないわよ。」
「そりゃそうだ。」
転移だと、遠見の魔法で位置を特定とか結構めんどくさい。それにこの世界の転移方法が分からない。
前回の世界でも俺の転移は特殊だったので、変に周りから見られた。出来るだけ目立ちたくない。特に神の使途に見つかりたくない。
そうすると飛行魔法か。
「ねえ、真美子さん。飛んで行ったらどのくらい?」
「え?飛ぶ?」
「飛行魔法だよ。」
「そんな魔法私出来ないわよ。テツさんもしかして出来るの?」
「・・・・・そうか、出来ないのか。・・・・・」
何と、この世界は、飛行魔法も珍しいのか?
他の方法はないものかな。ちょっとぐっすり寝てTPを回復したい。
そう、マイラ達に会いたい。マイラ達どうしてるかな。
そうだ、町の近くまで飛んで、そこからはまた歩けばいいじゃないか。そうすれば目立たない。
「ねぇ!聞いてる?」
「俺が真美子さんを抱えて、町まで飛ぶっていうのはどうだ?目立つか?」
「え?テツさんてやっぱり、飛べるの?」
「・・・・ああ、内緒にした方が良いのか?」
「ううん。ただ飛べる人ってこの辺は珍しいの。」
「そうか。」
なるべく町では、様子を見てから飛行魔法を使うか。
「・・・わかったわ。でも、そうね。目立つわ。」
「それじゃ。真美子さん、町の人に見つからない様にルートを指示してくれ。目立ちたくない。」
「はい、テツさん。」
「方向はどっち?」
「あっちの方よ。」
俺は指さす方向を見て、荷物を2つ背負った。
そして、いつもの癖で真美子をお姫様抱っこした。
真美子は、俺の腕の中でちじこまっていた。これじゃバランスが悪い。
「ほら、しっかり捕まってくれないと駄目だ。俺の首に手を回してくれ!」
「 ひゃい。」
と真美子は俺の首に手をまわした。
汗とすこし濃い目の女の匂いがした。
風呂も水浴びもしばらくしてないんだろう。
俺は、飛行スピードを上げた。
少しすると街並みが見えてきた。奥にあるのは城だな。城下町か。
「あそこに町みたいのが見えるけど、そろそろ降りた方が良いかな?」
と言ったら真美子はその方向を見た。
「あ、はい。あそこです。」
「そうか。じゃあ、降りるぞ。」
と近くの森の中へ降りて行った。
そして、森から出て、二人は一緒に町まで歩いた。
真美子は、顔をやや下に向けたままだった。
そして、その日の夕方、町に着いた。
◇
町に着くと、魔物の素材の売却のために、俺と真美子は冒険者ギルドへ向かった。
丁度いいな、冒険ギルド登録しておくか。
冒険者ギルドの受付には、美人の職員が出てきた。
うわ!すげえ。マイラより美人じゃん。しかも胸がでかい。その2つの重さを確認したい。
と見ていると、隣で真美子は話し始めた。
「3人の死亡届を出したいです。」
「はい。それでは、ギルドカードに書類を付けて出してください。」
ああ、そうだな、冒険者ならそういう手続きもあるか。
真美子は重い手を動かしながら、書類を書いて3人のギルドカードを出していた。その処理が終わり、
「あと魔物の素材を換金したいのですけど」
「はい。こちらに出してください。」
と真美子は言って、受付脇の空白スペースに素材を置いた。
美人の職員は目を見開いていた。
なにか不味いものでも入っていたのだろうか?
でも、驚いた顔もチャーミングだ。
受付から出てきた美人の職員は、そのブロンド髪をなびかせる度にいい匂いがした。
洋服は露出が少ないが、体のラインがクッキリ分かる。胸も揺れてる。
俺は上から下まで美人職員をゆっくり見ていた。
「おほん!テツさんそんなに見たら失礼ですよ。」
と真美子は咳払いをして言った。
俺はちょっと気まずくなり、目線を魔物の素材に移した。
全く妹みたいなこと言うなよな。
それでも、美人の職員は俺にニッコリ笑ってくれた。胸キュンしちゃったよ。
「暫らくお待ちください。」
と美人職員は奥に行って計算を始めた。
真美子はなんかイライラしている。あれの日だろうか?
「それじゃ、金貨9枚と銀貨4枚になります。」
真美子は嬉しそうにお金を取った。
まさか、後で分けてくれるんだろうな?
まあ、いいか御礼でもらった分もあるしな、それより冒険者登録だ。
「あの、俺冒険者登録したいのだけど。」
と美人職員に言った。
美人の職員は書類を差し出した。
「はい、それではここに必要な事項を書いて、銀貨1枚を添えて出してください。」
「ああ、分かった。」
と紙を見たらやはり一部文字化けして見える。
まあ、内容は分かるので俺は書類を書き始めた。
すると真美子が近づいて来て、小声で話し始めた。
「テツさん冒険者登録もして無かったの?」
まあ、この世界はまだ1日半くらいしかいないしな。
「ああそうだよ。それがなにか?」
「なにかじゃないわよ。もう。後で色々聞くから覚悟してね。」
それより、真美子にこの世界のミッションとかについて聞きたいよ。
「・・・・そりゃ、真美子さんがこの世界にいる訳を教えてくれるならね。」
「・・・・ずるいわ。」
「いや、ずるくない。ギブアンドテイクでいこう。真美子さん。」
「・・・・・・」
俺は冒険ギルドの冊子と注意事項の紙などをもらってリュックにしまった。
そして、真美子に今日の魔物の換金分のお金を半分もらった。
というか、魔物全部俺が倒してないか?
と考えていたら、真美子が話してきた。
「テツさん、冒険者登録して、これからどうするの?」
「そうだな。適当に魔物を狩って生活するよ。」
TPが溜まるまで、この世界から動けないしな。
「いつまで、この町にいるの?」
「飽きるまでかな。」
「パーティとか誰かと組むの?」
「・・・・ソロかな。」
まあ、どうせTPが溜まったら居なくなるんだ、あまり親しい人は作らない方がいいな。
「あ、あの、私と組まない?」
「真美子さんと?」
「そう、だって私のパーティ全滅しちゃったから・・・・・・」
ああ、そうだな、真美子独りぼっちなんだよな。
どうするか。
すこし、付き合ってあげるか。この世界の事もいろいろ聞かなくちゃいけないしな。
「・・・・・そうだな。いいよ。」
「ありがとう。テツさん」
と言って真美子は、俺の手を掴んだ。柔らかい。
「お!」
「あ!」
真美子はすぐ手を離した。そしてうつむいた。
恥ずかしがってるんだろうな。
ちょっとかわいい。
「それじゃ明日、宿屋の部屋に迎えに行くから、そこの掲示板のクエスト一緒にしましょうね。テツさん。」
「ああ、分かった。真美子さん。ところで宿屋も教えてくれ。」
そう、宿屋も分からないからな。
「ええ、付いて来て。私も宿屋だから。」
パーティなので一緒の部屋かなと期待したが、別の部屋を借りさせられた。
まあ、当たり前か。




