2-1 第2の異世界
俺の今いるところは河原だ。
ちょっと着地に失敗して体が痛いので、回復魔法を掛けている。
俺の視界には、血だらけの少女が転がっているのが見える。
そして、さっきまでその少女を狙っていたゴブリンの様な魔物が、俺の方に足を引きずりながら向かってきた。
俺はその魔物を見る。ゴブリンが一丁前に騎士の鎧を着ている。
ゴ☆リ△ナイトlV192 しかも、ステータスの所々が文字化けしていた。
”ゴ☆リ△ナイト”ってなんだよ。文字化けしてるけど”ゴブリンナイト”だよな。それに、ゴブリンに”ナイト”の称号なんてあったのかよ?
と突っ込みを入れたが、ここは俺がいた”十勇者ミッション”の異世界じゃない。きっと違う魔物とかルールとかあるんだろう。
と考えていたら、ゴブリンナイトが俺に切りかかってきた。
ブン!
ゴブリンナイトの剣が俺の頭の上に降り注ぐ。
俺は瞬歩でゴブリンナイトの脇をすり抜けながら、右拳をゴブリンナイトの心臓に叩きつけた。
ド!
そして、そのままのスピードでゴブリンナイトの後ろに立った。
ドサ!
そのあとゴブリンナイトが地面に倒れた。
とりあえず危機は去ったので、状況の確認だ。
俺は自分のステータスを見た。
lV952
一応数字は元のままだが、やはり所々文字化けしている。
まあ、俺の強さはあまり変わらない様なので、この世界の魔物が襲ってきても大丈夫だろう。
問題は神が俺の”次元空間転移”に気づいたかどうかだ。
俺はステータスのTPを見た。TP 3/30000
ずいぶん減っているというかTP無いな。
これじゃ、追手が来ても何処にも逃げられない。
そう、もし神に俺が”次元空間転移”で逃げた事に気づいていたら追手が来る。
そして俺は消されるだろう。
まあ悩んでも仕方がない。とりあえず、この世界で生活しながらTPを回復させるしか手が無い。
と、考えが終わり、俺はさっきの少女を見た。
もう、虫の息だな。
周りは誰もいない。俺が助けないと死ぬだろう。
これも何かの縁だな、助けるか。
俺は、血まみれの少女に近寄って言った。
「酷いケガだな。今、回復魔法を掛けてあげるよ。」
しかし、少女は首を横に振り言った。
「げほげほ!た、助けてくれた見返りは何?お金?私の体?」
ひどい有様じゃないか。それで、助けようとする俺に見返りとか聞いてくるのか。プライドが高いお嬢ちゃんなのか?
「・・・ほう、死にそうなのに助けを断るのか。随分と気丈だな。まあいい。俺の要求は・・そうだな、食料と少しのお金。後、町まで連れて行ってくれ。キミの体は貰えるんだったもらうけど、無理やりはしない。」
少女は俺を見つめながら言った。
「わかったわ。お金と食料と、町までね、私の体はあげないから。」
これだけ元気なら、回復魔法ですぐ治るな。
そして、俺は続けて話す。
「わかった。その条件で助けよう。」
「それでは、お願いします。」
俺は少女の体に手をかざして最上級回復魔法を無詠唱でかけた。
みるみる傷が治っていった。小指の欠損も治ったな。
これで、一応この世界でも俺の魔法は使えることが分かったよ。
「おじさん!これって、最上級回復魔法じゃない!」
お、最上級回復魔法に驚いてる。この子lV150もないのか、それじゃ驚くか。とりあえず言い張ろう。
「ああそうだけど。なにか?」
「・・・・おじさん何者?」
おじさん、だと!そう言えばさっきも言ってたな。
「”おじさん”は酷いな、そうだな・・・・・”テツ”って呼んでくれ。」
「・・・・テツさん、で何者?」
なんか、怪しい人物扱いだな。最上級回復魔法が不味かったのか?とりあえず。こう言っておこう。
「・・・旅の者だ。」
「・・・・テツさん食料とお金は荷物の中です。荷物は林の中に落としたから、一緒に探してくれませんか?あと、私の名前は”真美子”って言います。」
”真美子”かなかなか可愛い名前だ。
俺は真美子と林の中に向かった。




