49話 妖精の姫 3
大魔王レイカとの戦いが始まった。
始まると同時に、大魔王レイカは、無詠唱でファイアストームを放ってきた。
ゴオオオオオオオオオオオオオオオオ!
ババババババババババババババ!
俺は魔法障壁でこれを防いだ。
大魔王レイカは杖の剣で俺に切り込む。
ザン!
ガキーン!
俺はこれを受けながら言った。
「俺は戦いたくないのだけど、大魔王さん!」
「何言ってるのよ!男だったら戦って手に入れなさい!」
たぶん麗香だし戦いたくない。そもそもLV999に挑みたくない。
でもさっきの戦艦みたいな装備が無いから、上手くやればもしかして。
と思っていたら、奥義が飛んできた。
”燕8連返し”
シュン!シュン!シュン!シュン!シュン!シュン!シュン!シュン!
剣先が高速で8回切り返し俺に走る。
この技は、伝説の技じゃないか!ほなかでも燕4連だったぞ。
俺は、最初の4回までが受けるのがやっとだった。
ぶしゅ!ぶしゅ!ぶしゅ!ぶしゅ!
・・・・・・・・・・ぼと!ぼと!
俺の脇腹と右太ももに裂けめが出来、両腕が地面に落ち、血が大量に噴き出した。
「ぐっ!いで。」
大魔王レイカは、動けない俺に近づいて
「貴方の負けよ。麗香と妖精の王女は諦めなさい。帰って好きな人に甘えてるといいわ。」
とさげすむような声で言った。
ぐっ!なんか悔しい。そう言えば、林もケイゴも他の勇者もこの大魔王にやられたんだよな。それに俺の事、覚えてもないみたいだし。
俺は、大魔王レイカを睨みつけて言った。
「・・・・まだまだだ、まだ終わらんよ。」
そして無詠唱で最上級回復魔法を自分に掛ける。
俺のの体が光って傷が癒えて腕が生えていく!
そして、俺は体の周りに風の魔法、エアースクリューを大量にイメージした。
大魔王レイカは杖剣で、その風の渦壁を横撫で切りした。
バン!
大魔王レイカの杖剣が斜めに逸らされ弾かれる。
俺は更にストーンウォールの魔法を無詠唱で放つ。
大魔王レイカの足元からストーンウォールが突き出す。
ズブブブブン!
俺と大魔王レイカの間に土の壁を作る。
ザン!
大魔王レイカはその土壁を斜めに切る。しかしもうその向こう側には俺はいない。
俺は、転移で大魔王レイカの後ろ頭上に飛んでいた。
ザンン!
と俺は大魔王レイカの後ろ上方から剣撃を繰り出す。
しかし、避けられ大魔王レイカの肩口に剣先が当たる。
ガイーン!
大魔王レイカの黒い鎧が反応した?変形して弾いた。
「な!うしろから?」
「あれを防ぐとは、流石大魔王!」
ざっ!
と俺は一旦、大魔王レイカから距離を取った。
そして、俺は瞬歩で近寄り切りつける。
ザン!
俺は上段から剣を打ち下ろした。
ガシュ、ギーンン!
大魔王レイカは、杖剣で受け流して、カウンターを放とうとしてきたが、俺はそのまま肩を突き出し、ショルダータックルを繰り出した。
ドが!
「ぐ」
大魔王レイカはそのショルダータックルを躱しきれすに当たる。
グラッ!
そこに俺は左拳に闘気の渦を纏わせ大魔王レイカに撃つ。
大魔王レイカの黒い鎧の金属触手が俺の拳を絡め取ろうとするが、突き破った。
ズダン!
「ぐふっ!」
黒い鎧の胸当てを通して、大魔王レイカの内部に衝撃波だけを届かせた。
大魔王レイカはその攻撃を食らいながらも左手刀を放ってきた。
シュン!
「ぐわっ!」
大魔王レイカは攻撃を受けながらも、断裁空掌で伸びきった俺のの左腕を切り落としたのだ。
俺はは後ろに飛びのき、大魔王レイカから距離をとった。
そして、最上級回復を使う。
俺の体が光りだし腕が生えて来る。しかし、そこで腕輪から緊急コールが届く。神様からだ。
「井中よ、十勇者ミッションは勇者が全滅で勝敗は決まりました。大魔王と戦闘して”神の欠片”取得の邪魔することは許しません。」
と一方的に俺の頭に神様に声が響く。そのため、俺の動きが止まる。
大魔王レイカは、杖の銃で俺を撃った。
ドキューン!
結界付き魔力弾が放たれ俺に当たった。
結界が作動して、俺は包まれてしまい内部で爆発が起きた。
シュルーンボバアアアアンンン!
体が爆裂してチリジリになる。その一瞬、俺の意識は腕輪の中に移った。あれだ、21グラムだっけ?
結界が解け、俺は腕輪とともにいる気がした。
そして、その腕輪の周りに黒い靄が集まって再生が始まった。
何か大魔王レイカが言っている。まだ耳が再生していないので、良くわからない。
そして、俺は再生された。しかし、全裸で腕輪のみしていた。
大魔王レイカは俺の股間を凝視している。
俺は、両手で股間を押さえて言った。
「ちょっと服取って来るから待っててくれ。」
と伯爵家の自室に転移して服を着た。
大魔王レイカとの勝負で、復活した時に腕輪が俺の”不滅"を司っていることがなんとなくわかった。
こりゃ腕輪なしだと死ぬな。
しかし、神様からのコールで”大魔王と戦闘して”神の欠片”取得の邪魔することは許しません。”か、確かに俺は、勇者じゃないからな。それに神様に背いたらマイラ達との生活がパーだな。と色々考えた。
◇
そして、俺は大魔王レイカの所へ転移した。
大魔王レイカは、杖を構えて俺を威嚇するので、俺は両手を上げ降参のポーズを取った。
「降参だ。俺の負け、大魔王さん!」
「さっきまでの勢いはどうしたのよ!」
「いや、途中ムキになったけど、よく考えたら俺に得があまりないんでもうやめたい。そもそも勝てそうにない。」
「・・・・・麗香の情報も王女の命も要らないの?」
「良くはないが、王女は大魔王さんの人造心臓で、助かるんだろう。」
「ええ、そうだけど。確証はないわよ。」
・・・・なんか、納得いかないみたいだな。まあ、不気味によみがえる敵が突然降参だからな。ここは、あれで行こう。
「ダメなら、王女を氷漬けにして、またあんたと戦って取り戻し回復魔法で直す。」
「死ぬと生き返らない筈よ。」
「10秒ルールがあるみたいだ。その間に魂ごと氷漬けにすれば1日はもつ。実験済みだ。」
「・・・・麗香の情報はどうするの?」
「このミッションが終わったら神様が麗香に会わせてくれるんだ。必要ないだろ。」
と俺が言ったら大魔王レイカは、少し考えたあと話し始めた。
「わたったわ。ちょっと、質問だけどいいかしら?」
お、なんか表情が優しくなったな。何とか丸く収まるか?最悪転移で逃げよう。
「ああ、勝者には色々権利がある。何でも聞いてくれ。」
「貴方のレベルと能力は、神から与えられたものなの?」
そうだな、”RVP”以外は話してあげるか。
「レベルは初期値LV300だった。能力は、転移、回復魔法系統全て、あとミッションの仕事に使う銃だ。銃の詳細はちょっと話せない。」
「攻撃魔法とかはもらわなかったの?さっきの風の渦壁とか。」
「攻撃魔法は、初級しかもらってない。ファイアボールとかさ。」
「良くそれで、LV900超えたわね。」
「ああ、勇者はともかくおれは苦労した。”魔獣大陸”で必死にレベルを上げたんだ。」
「え?勇者は違うの?」
「勇者は”LVアップの加護魔法薬”でLV600までは楽に上がったんだよ。いやチートだね。」
「貴方はその薬使わなかったの?」
「勇者にしかきかなかったんだよその薬。」
「そう。」
・・・・お、少し考えてる。
「後、貴方はどんな仕事を神様に依頼さえているの?」
「2つあって、一つは勇者のサポート、これはもう勇者が死んだんで終了だ。後は・・・・この世界を守る仕事だ。」
「この世界を?何から?」
「秘密だ。神様に口止めされている。」
「・・・・それじゃ仕方がないわね。」
あら、神様の名前を出したらすぐに納得したよ。それじゃ王女様を何とかしてもらいますか。
「それじゃ、妖精の王女の心臓交換手術初めてくれないか?」
「わかったわ。」
◇
と、無事人造心臓を妖精王女の心臓と交換して、大魔王レイカは”妖精の涙という宝玉”を手に入れた。
王女は助かった。
大魔王レイカは魔王城に帰り、俺は王女を妖精の国に送り届けた。




