46話 勇者対魔王軍 1
それから次の日。
魔族の男1人、女2人が、妖精国に来た。
妖精国入り口の門のところで検問を受けている。
俺は、千里眼で3人を見た。
女性2人は結構可愛い。しかし、男を見て驚いた。
奴だ。”ベルモンガレカラ”そう半年前、2勇者が手も足も出ず、俺も実質上殺された。
あの強敵だ。
「みんな、”ベルモンガレカラ”だ!気を付けろ!妖精国入り口の門のところだ。」
それを聞いて。6勇者は、俺と同じく千里眼で3人を見た。
「どいつだ?」
とドラゴンの勇者サイナスが言った。
「あの男の魔族だ。」
と俺は答えた。
「よし、オレとサイナスで行ってくる。」
と、螺旋の勇者ガルドが言う。
「しかし、強かったんだぞあの男は!」
「他に援軍もいなさそうだし、オレとサイナスなら負けやしない。」
「分かった。」
今の2人はLV900とLV906だっけ?
俺は2人とのレベルアップでの打ち合いを思い出していた。あの2人はとても強くなっていた。
ベルモンガレカラが、もしレベルアップしていたらと、不安は残るが負けはしないだろう。
と思いながら俺は2人を見送った。
◇
魔族の男1人、女2人は、入国で断られ、妖精の国から出て行こうとした。
螺旋の勇者ガルドは3人に声を掛けた。
「おい、そこの男、”ベルモンガレカラ”っていうんじゃないか?」
「・・・・あんたは?」
「勇者だ。お前と一騎打ちをしたい。」
「嫌だと言ったら?」
「そこの女も血祭りに上げる。先の荒野で勝負だ。」
「てめー!」
とベルモンガレカラは、怒りを顕にした。
しかし、後ろにドラゴンの勇者サイナスもいたことで、ベルモンガレカラ達は警戒をしながら荒野に向かった。
・・・・
螺旋の勇者ガルドとベルモンガレカラは荒野に二人向き合う。
「いつでもいいぜ。魔族さん。それにしても可愛い子連れてるじゃないの?オレもまぜてくんない?」
と螺旋の勇者ガルドは挑発した。
「てめー!」
とその言葉にベルモンガレカラは、瞬歩で螺旋の勇者ガルドを切りつけた。
しかし、ベルモンガレカラのその剣筋は、挑発に怒っているようでもなく。すざまじく鋭いものであった。
ザン!
ブン!ブチン!
一瞬だった。ベルモンガレカラの両腕が千切れはじけ飛んでいた。そして、くびに掛けてた認識阻害アイテムも一緒に飛び散った。
「ぐあーぁああああ!」
ベルモンガレカラに叫びが荒野に響く。螺旋の勇者ガルドの螺旋剣が引きちぎったのだ。
「”ベルモンガレカラ LV851”か期待外れだな。」
とベルモンガレカラのステータスを読めるようになって、それを見たドラゴンの勇者サイナスが呟く。
「いやー!」
と魔族の茶色の髪の女性が叫ぶ。
ザッ!と瞬歩で、黒い髪の魔族の女性が螺旋の勇者ガルドへ切りつける。
螺旋の勇者ガルドは振りむきながら、螺旋剣を振る。
しかし、それは幻影であった。
螺旋剣は空を切る。
そして、煙球が弾け辺り一面煙が立ち込める。
螺旋の勇者ガルドは、いったん引いて体制を立て直す。
「けほけほっ!駄目だ!後頼む。サイナス。」
と煙を強く吸ってしまった螺旋の勇者ガルドは下がった。
魔族の女2人は、ベルモンガレカラの所に集まっていた。
そこに、ドラゴンの勇者サイナスが走って近づく。
ドラゴンの勇者サイナスの体には、びっしりと鱗が生えていた。
そのドラゴンの勇者サイナスに、魔族の茶色の髪の女性が魔剣を数十本投げる。
ドラゴンの勇者サイナスは、その魔剣を、剣や鱗の付いた腕で弾きながら剣で切り込む。
ガキン!
魔族の茶色の髪の女性がこれを黒雷の出る剣で受けた。
剣を受けられて、動きが一瞬止まったドラゴンの勇者サイナスに、黒い髪の魔族の女性が魔術の文字が刻んである暗器を20本ほど放つ。
ババババババババババババババババババババ!
カンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカン!
しかし、鱗でその暗器は全て弾かれた。
ドラゴンの勇者サイナスは、魔族の茶色の髪の女性と片手でつばぜり合いをしながら、黒い髪の魔族の女性を蹴る。
その足は竜の爪のように鋭い爪が出ていた。
ドガ!
「ぐあ!」
黒い髪の魔族の女性は右腕で庇ったがその腕ごと足の爪が引き裂く。
そして、ドラゴンの勇者サイナスは魔族の茶色の髪の女性を跳ね飛ばし剣を振る。
魔族の茶色の髪の女性はこれを躱そうとするが右腕と左肩に傷を負った。
そこに、爆弾が転がって弾けた。
その爆弾は、まばゆい光を放つ。
閃光だった。
光が消えた時。
魔族3人は消えていた。
・・・・
螺旋の勇者ガルドが、眩しそうにしているドラゴンの勇者サイナスに近寄って言った。
「逃げられちまったな。」
「ああ、目が痛い。」




