44話 妖精の姫 1
本日3回目の投稿です。
俺はいつものように、勇者とレベルアップを行っていた。
今日は、螺旋の勇者との打ち合い訓練でのレベルアップだ。
と思ったら、腕輪の宝石が俺の脳に警報を鳴らした。
そう、”RVP”の探知音だ。
かなり久しぶりである。
俺は螺旋の勇者に急用が出来たことを知らせて、人気のないところに転移する。
腕輪の宝石を触り”グラス”と呟く。
サングラスが俺の顔に現れる。
マップを表示し、”RVP”の位置を見る。
少し遠い。妖精の国の辺りだ。
俺は転移する位置を決める。
今は午前中で明るい。
俺は、人目を避け、”RVP”から1キロ離れたところの木の陰に転移した。
”グラス”で”RVP”の位置を確認。
ゆっくりと俺は近づく、どうやら周りには魔物だけで、人がいない。
以前人がいたときは厄介だった。結界で守りながら戦ったよ。
あと、人に見られたので、神様に以前言われた対処法の、記憶操作装置を腕輪から出して”RVP”を見た人の記憶を改ざんした。まるで宇宙人から人類を守るサングラスをかけた二人組のようにね。
で、”RVP”に俺は近寄って、いつものように”特殊攻撃イレーズを撃つ。
シュン!
と手におもちゃの光線銃の様なものを出す。
”グラス”がロックオンする!
俺は引き金く。
シュー!パーァアアアアア!
と光線が当たって光の結界が”RVP”を取り囲み、そのまま光の結界球が回転しながらしぼんでいく。
数十秒後すっかりなった。
俺は辺りを歩き回り”RVP”の残骸が無いかを確認する。
・・・・・・・
終わったので、帰ろうと思った時。
ババーン!フォガアーン!
と、少し離れた所で、魔法の打ち合いの音が響いてきた。
”グラス”で確認すると妖精族と魔族とダークエルフがその戦闘エリアにいた。
俺は、気配を消しながら近寄って見た。
◇
現場に着くと、馬車が20人程度の魔族とダークエルフに取り囲まれていた。
魔族とダークエルフの平均レベルはLV300であった。
馬車の周囲には妖精の騎士と思われる護衛が数人倒れている。
馬車の周りには上級魔法防壁が数枚展開されている、馬車の中の妖精の魔導士が張り巡らしたのであろう。
今は、その上級魔法防御壁に魔族とダークエルフが手こずって攻め込めないでいた。
俺はどうするか迷った。
確かに魔王軍はやがて敵になるから、攻撃もありだが、魔族全般が敵かというと微妙である。しかも、魔族とダークエルフが組んでいる。
勇者なら妖精の方を助けるだろう。しかし、どちらが悪いのか俺には分からない。また、俺の奴隷にのママナミがいる。ダークエルフに敵対したくない。
と思いながら、馬車を見ると馬車の窓から綺麗な妖精の女性が見えた。
俺は、心を決めた。そう、妖精を助けなきゃね。
俺は念のため頭部に布を巻き、”グラス”を取って、口元にマフラーを巻き顔を隠した。これならダークエルフに見られても誤魔化せるだろう。
とごそごそやっていたら、馬車の周りの上級魔法防壁が、壊れかけていた。
俺は、瞬歩で近づき、ダークエルフ全員を気絶させ、魔族は瞬殺した。
そして、変装をとり馬車の前に出て、馬車を最後に守っていた妖精魔導士に
「妖精の人、大丈夫ですか?」
と俺は声を掛けた。
「助けてくれのですか?人族の方。それとも、なにか要求があるのですか?」
結構警戒してその妖精魔導士は俺に杖を向けながら言った。よく見ると女性だ、結構可愛い。あと怪我を負っている。
「ああ、助けただけだ。ちょっと通り掛ったんでね。それより怪我してるな、回復魔法を掛けてあげようか?」
「・・・・大丈夫です。」
まだ、警戒しているし、面倒くさくなったので俺は言った。
「警戒するもの分かるが、俺が本気なら、あんたらもうとっくに無事じゃないぜ。」
「そ、そうです。すみません。その、私ならあなたの好きにしていいから、中の者には手を出さないでください。」
と、何を勘違いしたのだろうか、この可愛い妖精魔導士は服を脱ぎ始めた。
凄いナイスバディ!
しかし、もう俺にはいい人がいるし、無理やりなんかで襲ったらアウトだ。そう、合意で黙っていてくれるのなら別だけど。
俺は、可愛い妖精魔導士に近寄った。
可愛い妖精魔導士は、
「お金もあるので。満足したら去ってくださいませんか?」
とお金も差し出した。なんか俺そんなに悪人に見えるのか?ちょっとショック。
俺は、お金に目もくれず、可愛い妖精魔導士を抱き寄せ、傷に手を差し出し回復魔法を掛けた。
「あっ。」
と可愛い妖精魔導士は驚く
「俺は井中っていうんだ。君の名前は?」
可愛い妖精魔導士は、俺を見つめて
「リーリと言います。」
と言った。
「じゃあ、リーリ、服を着て。あと、ケガ人はいないか?」
「え?、いえ、中の人は私が回復魔法を掛けますので。」
とりーりは、ぼーっとした顔をしながら言った。
そして、リーリは服を着始める。
俺は、馬車の中の人はよほど大切なんだなと思い。あまり深入りしないように帰ることにした。
「それじゃ。俺帰るけど。リーリ達は帰れるのか?」
と馬車を見た。
馬車の車は壊れているし、どうも帰れそうにないなと見ていると、
馬車の中から、綺麗な妖精の女性が出てきた。
「あ、ダメです。出て来ては!」
とリーリが止めたが、その綺麗な妖精の女性は出て来て、お辞儀をしながら俺に言った。
豪華なドレスを来ている。お姫様とか貴族の令嬢だな。
「この度は助けていただき、ありがとうございます。私はファーリーリーといいます。」
「これは丁寧に、俺は井中と言います。」
「井中様、護衛の者がリーリだけになってしまいましたし、馬車も壊れてしまいました。もしよろしければ、妖精の国まで護衛をして頂けませんか?」
「ああ、いいけど、そこのリーリは嫌がってるみたいだけど?」
と俺は、リーリを見る。
リーリは、オドオドと戸惑っている。
「大丈夫よ。リーリは、私のことなら何でもいう事を聞きます。あと、井中様への報酬もきちんとお支払いしますから。」
「わかった。で、妖精の国って結構あるけど歩きで行くのかい?」
「そうですね。リーリ、馬車は直らないの?」
「はい。王じ、・・ゴホンゴホン、ファーリーリー様、馬車はもうダメです。」
「そう。それじゃどうするの?リーリ。」
「それは、徒歩で、羽根で飛ぶと魔物に狙われるので。そして、近くの村まで行きまして、転移ゲート魔法陣を譲ってもらい帰ろうと思っていました。」
・・・・・リーリは、この高貴な女性を歩かせる気だったんだな。そうだよな羽根で飛んだら、ここらへんだと飛行型魔物が来る。また、徒歩だと確実に夜になって魔物と遭遇だろ。
まあ、この距離なら俺は2人を担いで、飛行魔法で飛んで行けばすぐだろう。もう俺のレベルLV900超えてるから楽勝だ。
と困っている2人に提案した。
「俺が2人を担いで、妖精の国に行くっていうのはどうだい?もうそろそろ日が暮れてくるし。」
「何言っているのですか?ここから妖精の国まで、どのくらいあると思っているのですか?それも2人も担いでなんて。後、魔物も襲ってくるし。」
とリーリが食いついてきた。確かに普通じゃ魔力切れだわな。でも100キロ位だ。
「リーリ止めなさい。井中様本当に出来るのですか?」
「ああ、出来る。報酬はどんなものが貰えるんだ?」
「先ほど、リーリが渡した金額の50倍は差し上げられます。お金が要らないのなら別の物でも用意します。女性でも、土地でも、地位でも。」
「ファーリーリー様駄目です。」
「リーリは黙っていなさい。」
ほう、すごい報酬だな。地位とか言ってるよ。さっきリーリが王じ・・とか言っていたから王女様かな。仲良くなっておいた方がいいな。我が家の家計も潤いそうだ。
「まあ、まあ、2人とも、喧嘩かしないで。それじゃいいですね。2人とも。」
「はい、井中様。」「・・はい。」
と承諾が頂けたので。リーリは俺の背中に、ファーリーリーはお姫様抱っこをした。
なぜお姫様抱っこ?と言われると、王女様だったら担ぐわけにもいかないからさ。
俺は、2人を乗せ?高速飛行で、妖精の国へ向かった。
もちろん、飛んで襲ってくる飛行型魔物は、無詠唱攻撃魔法で倒しながら。
2人には、ちょっと、飛行スピードが速かったせいか、最初悲鳴と抱き付きが多かったけど、だんだんリラックスしてきて、俺に体重を預けてくれた。
飛びながら思ったのだが、俺が転移ゲート魔法陣を作り、それに妖精の国の転移ゲート魔法陣のコードを教えてもらって、繋げれば一瞬で移動出来たなと思った。
しかし、背中のリーリの柔らかい胸の感触と、ファーリーリーの柔らかくいい匂いのする感触を捨てられなかったので、黙って飛行した。
妖精の国に着いたのはもう暗くなってからだった。
着いた時は、たくさんの衛兵に囲まれて焦ったが、やはりファーリーリーが王女だったので、衛兵は引いてくれた。
その後、俺は妖精の城に通され、妖精王にお礼言われた。
沢山の財宝を御礼にもらい、俺は帰ろうとしたが、ファーリーリー王女とリーリに呼び止められた。
「井中様、今日はありがとう御座いました。リーリともども感謝しています。」
と2人は俺にお辞儀をした。
「あの、本当に井中様は、財宝だけでよろしかったのですか?もしよろしければ、殿方ですので、リーリと一晩ごゆっくりしていっても。あ、もし、私が好みでしたら、その、正式にプロポーズしていただければ・・・・」
と、ファーリーリー王女は顔を赤くして俺を見つめてきた。横にいるリーリも顔を赤らめている。
あれ?なんかこのパターン記憶にあるけど、まさかね。俺モテ期かな?でもこれ以上増やすと、マイラに怒られるしな。
俺の選択は
①マイラに黙っていいことをする。
②マイラに相談して、よめを増やす。
③実はこの妖精王女に何か魂胆があって俺を誘惑している。
・・・・・③の可能性が高いな。だって今日会ったばかりだぜ。
とりあえず当たり障りのないこと言って帰るか。
「いや、その、女性は体をもっと大切にしなきゃね。」
「あ、私、その、井中様なら大丈夫です。それに私処女なので、綺麗です。」
とリーリ、が言ってきた。
「あら、私も処女よ。井中さんはどちらが好み?」
えーと、どうしよう。ここは、目的を聞き出すか。
「その、王女様に手を出すわけにはいきませんし、リーリさんも、落ち着いて考えてください。俺たちは今日会ったばかりなんですよ。」
「そうね。でも、そうすると私たちには魅力が無いの?」
「いえ、そのとても魅力的です。誘惑されそうです。でも、俺を誘惑する。本当の目的は何ですか?」
「あら、気づいていたのですか?」
「まあね。」
「あの、私は、その、本当に井中様がよろしければ。・・」
「リーリ、やめなさい。」
「でも、あの時井中様に助けてもらわなければ、私は死んでいました。」
「・・・・・とりあえず、リーリは置いておいて、井中様、実は、・・・・・」
とファーリーリー王女は話し始めた。
内容は、
①”神の欠片”がある、神聖国家の神殿の結界の破る方法に”妖精の涙という宝玉”が必要。
②”妖精の涙という宝玉”は妖精王の血縁女性の体内に作られる。
③”妖精の涙という宝玉”は王女の心臓の機能と直結している。つまり、体内から取り出されると死んでしまう。
④森で儀式の帰りに王女が魔族に襲われていたのも、”妖精の涙という宝玉”の為である。
⑤井中に、助けてほしい。
という内容であった。
なるほどね。王女に惚れられた訳じゃなかったか。
「そう言う事なら、勇者に知り合いがいるので、この国を守るように言って、連れてきてあげるよ。」
と俺は言った。
王女は、その約束が本当なら、また報酬を用意すると言った。
リーリは、俺に魔法通信機を渡して、「これで連絡してください。」と言ったあと、俺に「もしよかったら、いつでも抱いてください。私強い人好きなんです。」と赤くなって、小さい声で言ってきた。
俺は、ちょっと感激した。やっぱりモテ期かな?
と、俺は沢山の財宝を土産に家に帰った。




