3話 神との契約 1
俺は人の気配がして起き上がった。
「誰だ!」
「こんにちわ。」
と笑顔の素敵な人物はそう挨拶をした。
「あ!こんにちわ。」
と俺は慌てて挨拶を返した。
金色髪のすごい美人であった。
二十歳位であろうか、アメリカ映画のお姫様役で出てきそうである。
胸も形がいい、たぶんロケットおっぱいだろう、そして俺にちょうどいい大きさだ。
と俺が金髪美人に見とれていたところ、
三田村さんが意識を取り戻して、周りをきょろきょろし始めた。
「成功したの?ここが異世界?」
と俺を見て言った。
「あの人だれ?」
と更に金髪美人を指さして言った。
指さしちゃダメだろ!まったくこの子は・・・・・。と思いながら指を慌てて降ろさせた。
「井中と言います。貴女は誰で、ここは何処でしょうか?」
と俺は、金髪美人に聞いた。
「わたしは、ソファリアーラ。ここは、狭間の空間よ。貴方の目的と願いはなあに?」
「狭間の空間?」
そうか、確かネット上での話だが、ごく一部の生還した人は、魔法陣を使ったあと、異世界に転移する前に神様と会ったという記事があった。
という事は、この金髪美人は神様?
と考えていると、三田村さんが、
「私は、健吾を探してるの。ねえ、貴女知らない?」
と気安く金髪美人に話しかけた。
「健吾さん?ここには来ていないけど、探せますわよ。貴女の願いは健吾さんに会う事でいいのね。」
「そうよ。」
ちょっと簡単に話を進めないでくれ、もし神様とかだったら慎重にいかないと。
「ちょっと待ってくれ、ソファリアーラさん。」
「なあに、井中君。」
「俺たちは魔法陣を使ってここに来たんですけど。貴女はどうやってここに来たのですか。」
俺は、先に神とかの単語を出さないことにした。
実は悪魔とかで、魂の取引とかだったらヤバイからな。
「私は、この狭間の空間には、空間転移で自由に出入り出来るわ。」
「俺たちの目的と願いを聞いたのは、何故ですか?」
「わたしは、魔法陣を使ってここに来る人に、異世界で叶えて欲しい願いを叶えてあげているのよ。」
「では、タダで願いを叶えてくれるのですか?」
「いいえ、あるお仕事をして貰って、その対価に願いを叶えているのよ。」
「お仕事ですか?例えばどういった仕事ですか?」
「そう、例えば、勇者になって魔王を倒して、魔王の体の中にある”魔神の欠片”を取ってきてもらうミッションを行ってもらう仕事よ。」
何それ、ゲームをリアルでやれって感じかな。
「そうよ。あなた達の知ってるRPGゲームをリアルやる様なものよ。」
「え?俺は何もまだ言っていないのだけど。」
まさか心を読んだとか!
「ええそうよ。表層の今強く考えていることだけは読めるわ。」
とこの金髪美人は言い切った。
「なんの話になっているの?ねえ!健吾の件はどうなったのよ。」
と三田村さんが口を挿んできた。
「ちょっと黙っていてくれ。」
「なによ。偉そうに。」
と三田村さんはむくれてしまった。
「警戒しないで、といっても無理でしょうけど、心が読めるのはこの狭間の空間限定よ。ここは私の空間だから。」
と金髪美人は言った。
言っている意味は、一部分からなかったが、この部屋にいる限り、俺の心は丸裸らしい。
ピンチじゃね。胸とかロケットとか言っちゃたよ。