37話 剣の修行 1
本日4回目の投稿です。
転移ゲート魔法陣のおかげで、勇者のレベルアップが飛躍的に進んだ。
もう勇者のレベルは俺のLV368より上回ってきている。
武器や勇者の能力の差があるので、現在は、俺の方が勇者の戦闘に混じって戦うのが厳しいくらいだ。
そこで、俺自身のレベルや技能の向上が必要になってきた。
まあ、”LVアップの加護魔法薬”を渡して、俺は高みの見物という手もあるのだが、俺も強くなりたい気持ちがあったのだろう。
だから、転移ゲート魔法陣設置により俺の時間が開いた、その時間をレベルアップに当てた。
具体的に言うと、俺が勇者のレベルアップの時間に費やす時間は1日の午前中だけある。
まあ、午前中は”魔獣大陸”では真っ暗だが、そこは仕方がない。
午後に俺自身のレベルアップとして、サラサーミさんから魔法訓練と道場での剣の修行をしたのである。
もちろん、マイラとイチャイチャもしていたけど。
◇
今日は剣の道場に来ている。
最近は、レベル差もあるせいか、この間来た時の俺がLV341の時、柳生島ほなかと打ち合う事が可能となってきた。
まだまだ柳生島大刀隆師匠には、刃が立たないけど。
中級鑑定魔法を習得したおかげで剣技のレベルが分かっている。
柳生島 大刀隆 LV322 剣技LV91
柳生島 ほなか LV285 剣技LV74
俺 LV368 剣技LV53 拳法技LV62
と俺の剣技も中々上がってきた。
最初ここに来た時の俺の剣技はLV37だったそうだ。
剣技などの技能は、練習や対人の打ち合い、そして実践などでLVが上がるそうだ。
また、基本のレベルも練習や対人の打ち合いで少し上がるそうである。
実際にほなかは、俺と打ち合ってレベルが上がったそうである。
ということで、今日もほなかと打ち合いの練習を始めるところだ。
草原に二人向かい合う。
「いきますよ。ほなか師範代。」
「いいわ、何時でもどうぞ。」
俺は瞬歩で踏み込み、フェイントを掛けつつ、突気を放つ。
シュパーン!
しかし、難なく避けられて、逆に俺の鼻さきにほなかの突きが放たれる。
シュルーン!
チッイーン!
と俺はその突きを剣を戻しながら、上方に軌道をずらす。
その起動が逸れた、ほなかの剣は、手首の反しで俺の頭を狙う。
シュン!
ギャン!
俺も手首を反してこれを弾く。
そして、剣撃の応酬が続く。
キン!
カーン!
ザン!
ギャルーン!
シュッ!
スパン!
・・・・
・・・・
・・・・
・・・・
お互い切り傷だらけになりながらも、剣撃の応酬が続けられた。
俺は何とかレベル差で凌いでいる。しかし、どうしても決定的な一撃が与えられない。
らちがあかないので、風の魔法をほなかの足元にイメージしてみた。
ほなかの足が風の渦に引っかかって、一瞬の隙が出来る。
ダン!シュン!
ピタ!
俺はほなかの剣を叩き落し、その反動で攻撃。ほなかの額で斬撃を止めた。
「勝負あった。!そこまで!」
と柳生島大刀隆の師匠が言った。
俺は剣を降ろし鞘にしまった。
「ちょっと!今のは、卑怯よ。私の足に変な魔法を使ったでしょう!」
「まあ、使ったけど、今まで、魔法ありで打ち合いしてたんじゃなかったっけ?」
とほなかが、イチャモンを付けてきたので、正当なことを俺は言った。
「ぐぬぬ。」
「よさぬか、ほなかもういいであろう、こ奴に奥義を教えても。」
と柳生島大刀隆の師匠が奥義という言葉を発した。
当然おれは反応して食らいついた。
「奥義ですか!教えてもらえるんですか?」
「ああ、ほなかと話会い、奥義無しでお主がほなかに勝ったら、教えるという約束じゃ。」
「いやったー!」
と俺は大喜びをした。
「井中殿、奥義を教える前に質問がある。」
「なんですか?師匠」
「おぬしは、ほなかを好きか?妻として結婚できるか?」
「え?」
「奥義を教えるには家族になる必要がある。それが我が流派のしきたり。」
・・・・だから、ほなかがムキになってイチャモン付けてきたのか!
「そ、それは、美人だし好きだけど、・・・・」
と俺が言ったら、ほなかが「やだっ!」と顔を赤くして、両手を口でふさいだ。
なんだ、結構脈があるのか?と思いつつ。言葉を続けた。
「・・・好きだけど、遅かった。」
「何が遅かったのじゃ。井中殿?」
「俺、婚約しちゃったんだよ。」
「へ?」「なん!」
と2人とも呆気にとらわれていた。
しかし、奥義はおしい。習いたい。カッコいいじゃない使えたら。
「あの、奥義だけ教えてもらえませんか?」
「・・・・・結婚しなきゃ駄目じゃ。」
「・・・・・」
と断られてしまった。
「質問だが、井中は、何故こんな厳しい修行を逃げずにやってきたのだ?ほなかが狙いでは無かったのか?」
まあ、かなり、体を切り刻まれたり、腕も何回か切り落とされたけど。回復魔法があったしな。
って、そんな痛い思いしたら、普通は止めるか。
「・・・なんとなくさ。」
「・・・そうか。」
と言っていたら、ほなかが割ってしゃべってきた。
「何言ってるのよ。なんとなくで、わたしの扱きに耐えられるはずないじゃない。わたし目当てじゃなかったの?」
なんか自信過剰だな。ここまでだったとは思わなかった。
「ほなかさん、男にはやらなければならない使命がある。剣の修行は、俺にとって、その使命を達成するために身に付けたものだ。」
とカッコいいことを言ってみる。
「何よ。さっきはなんとなくって言ったくせに。その使命って何なのよ。」
ミスって異世界に来たから帰るためと、フラれた女、麗香を探すためなんて言える訳が無い。
「世界平和のためさ。」
「な!」
「また来るよ。奥義は教えてくれなくていいから、それから、次回の打ち合いは奥義ありで頼むよ。」
と俺は、手を上げて飛行魔法で去った。
俺カッコいいぜ。
まあ、奥義は、見て実際に食らって覚えるか。




