23話 レベルアップ ドラゴンの勇者&螺旋(ドリル)の勇者 2
岩ゴーレムは、右拳を振り上げた。
螺旋の勇者ガルドは、螺旋剣を振る。
ギャグーンンンンン!
ガリガリガリガーンンン!
バダーン!
と、岩ゴーレムは右の突き出した拳ごと、体をえぐられ崩れ落ちた。
わずか一撃で倒した。俺は目を疑った。LV差が10ある相手に、一撃であんなに簡単に倒してしまうなんて。
「すごいなガルドさん、何か特殊な能力持ってますか?」
と、つい聞いてしまった。
「この螺旋剣のおかげだよ。伝説によるとこの剣に壊せないものは無いそうだ。そう、俺のドリルは無敵だぜ。」
本当かよ。嘘くさい。どっかの超ドリルロボットの主人公に影響されてないか?
「聖剣エックスカラバンよりすごいのか?」
「聖剣エックスカラバンなら剣の勇者ともめた時、この螺旋剣で壊してやったよ。」
え?壊しちゃったの?あの聖剣を!勿体ない。勿体ないが、オリハルコンの剣を壊せるなんて!
「そりゃすげえ!ほしい。」
「いいだろう。でも、この剣は、螺旋の勇者と認められた者しか回らないけどな。」
「そうなんだ。残念だな。」
と話していたら、岩ゴーレムLV52が現れた。
ドラゴンの勇者サイナスに襲い掛かった。
ダガーン!
岩ゴーレムの拳がドラゴンの勇者サイナスに当たった。
しかし、ドラゴンの勇者サイナスは微動だにしない。
良く見ると、体に鱗がびっしり生えていた。
まるで蜥蜴、いや竜か!LV10の差の攻撃をやすやすと防ぐとは!
ドラゴンの勇者サイナスは鋼の剣を振るった。
ザン!
・・・・ドサン!
岩ゴーレムは崩れ落ちた。
握られた鋼の剣は、闘気で覆われていた。
どっちもすげえ!これが勇者の力か!
・・・・・・・
・・・・・・・
・・・・・・・
俺たちは、何度か魔物を倒して進んでいった。
・・・・・
そこに”スライムゴーレム LV152”が現れた。
その名の通りスライムで出来ていた。
流石にこのレベル差はマズい。
俺は叫ぶ!
「LV152だ!さがれ!」
しかし、スライムゴーレムの手が凄い早さでこちらに伸びてきた。
「ちぃ!」
螺旋の勇者ガルドは、螺旋剣で突っ込んで行った。
ギャグーンンンンン!
ずるずるびやびちゃ!
ぐるんぐるんんぐ!
螺旋剣でスライムゴーレムの手は、はじけ飛んだものの螺旋剣の回転音がおかしくなってきた。
更にスライムゴーレムは、こちらに向かいながら手を瞬間再生させて襲ってきた。今度は2本だ。
俺は中級魔法防壁を数枚展開して片方の手を防ぐ。
びじゃ!
と、魔法防壁にスライム状になって張り付く。
もう一方は、ドラゴンの勇者サイナスが鋼の剣を振るって切る。
ザン!
・・・べちゃん!
手は切られて床に落ちるが、スライムゴーレムの手はすぐ再生される。
俺は、魔法防壁を張りながら、ファイアボールを撃つ。
ボウウ!
・・・ぷしゅ!
スライムの体は、ファイアボールを消火してしまった。
再度、螺旋の勇者ガルドは、螺旋剣で突っ込んで行った。
ぎゃぐーんんんんん!
ずるずるびやびちゃ!
ぐるんぐるんんぐ!
ドリルの音がおかしいが、スライムゴーレムの上半身半分を削ってくれた。
ドラゴンの勇者サイナスがスライムゴーレムに切りつけ残りを真っ二つにする。
スライムゴーレムは崩れて地面に落ちた。
倒したと思ったら、地面に這いつくばっているスライム状の物体が、触手を伸ばし攻撃してきた。
ぶゆーん!
・・・・ばちん!
触手がドラゴンの勇者サイナスを襲い、後ろに飛ばされた。
ドガッ!
ドラゴンの勇者サイナスは、壁にぶち当たる。
大した攻撃ではないのに辛そうだ。体の鱗が消えかけている。
「ど、毒だ、気を付けろ!」
とドラゴンの勇者サイナスは叫んだ。
どうやら、スライムは毒を使ったらしい。
スライムの触手が次々と生み出され襲ってくる。
螺旋の勇者ガルドは、螺旋剣でその触手をつぶしているが、いつまでも持ちそうにない。
流石はLV152のスライム、伊達じゃなかった。
異世界で初めて遭遇したスライムがこんなに強いとは、スライム最強とは嘘じゃないかもな。
しかし、魔法もだめ、剣で切ってもドリルで削っても再生してくる。どうすりゃいい?
と考えながら、ドラゴンの勇者サイナスを庇うように魔法防壁を展開していたところ、
「ぐっ。」
と、螺旋の勇者ガルドが倒れた。
よく見ると螺旋剣にスライムがべたべた張り付き、螺旋の勇者ガルドの手まで伸びていた。
毒だ。
俺は、螺旋の勇者ガルドの周りにも魔法防壁を張り、攻撃を凌いだ。
・・・そうだ、魔法の使い方のコツはイメージ、俺の使える攻撃魔法じゃ効かないが、俺はLV300!魔力は十分。直接奴に魔法イメージを叩き込もう。
シュン!
俺は、転移でスライムの側に転移した。
そして、スライム本体に手を触れて、『凍れ!』と念じ魔力を放出した。
スライムは一瞬で凍り付いた。氷魔法は生活魔法のアイスしか身に付けていなかった俺だが、上手くいった。
ガッ!パリーン!
俺は、闘気を纏った剣でスライム氷を砕いた。
バラバラになった氷の破片の中に赤黒い球があった。
その球に氷から解けたスライムが集まりだしたので、俺はその赤黒い球を砕いた。
ずべてのスライムの破片の動きが止まった。
どうやらスライムの核だったらしい。
その後、全員に毒消し魔法と、回復魔法を掛けた。
・・・・
ドラゴンの勇者サイナスが話しかけてきた。
「助かった。ありがとう。」
偉そうな奴だったが、結構素直に礼を言った。ツンデレだったか?
「どういたしまして。」
と俺は言っておいた。
螺旋の勇者ガルドも俺に礼を言ってくれた。
・・・・・
俺たちはまた、魔物を倒しながら地上へ向かった。
もう思考能力も落ちちゃってるよ。早くサクミの所に帰りたい。
・・・・・
・・・・・
かなりの回数魔物と戦った。
俺だけ転移で帰っちゃダメかな?
・・・・・
・・・・・
ようやく地上に出た。
体中、魔物の返り血だらけだ。気持ち悪い。
地上は、もう朝焼けが見えていた。
繋いである馬の所まで来た。俺たちは馬の周りに結界を設置していた為、無事であったのは言うまでもない。
三人は馬に乗り城に向かう。
全員疲労できつかったが、魔物を倒しながら無事たどり着いた。
・・・・
俺は、部屋に帰って湯あみをした。
サクミは眠そうだったが、手伝ってくれた。
ああ、サッパリする。
その後、布団に横たわって寝た。
俺は、泥のように眠った。
とても疲れた日であった。




