22話 レベルアップ ドラゴンの勇者&螺旋(ドリル)の勇者 1
本日2回目の投稿です。
今日はドラゴンの勇者と螺旋の勇者のパーティと一緒にレベルアップをする予定だ。
俺は、二人が待っている場所に向かう途中、林健吾と会った。
カラクリの勇者林健吾、俺の友達だ。
林は、錬金術の勇者、爆炎の勇者とレベルアップに行っている。もちろん三田村さんも一緒だ。
林はこの二人とウマが合うらしい。
おかげで、この三人のレベルアップは、三田村さんにお任せで非常に楽である。
できれば、面倒な歌う勇者も連れて行ってほしい。
俺は、林に挨拶をした。
「よう。元気か?」
「ああ、なんとか元気だ。」
林の腕には三田村さんが絡まっている。
「今日は何処に行くんだ?」
「”魔の海岸”だよ。」
・・・昨日格闘の勇者が死にかけた所だな。アドバイスしておくか。
「そうか、あそこは昨日行ったが、海岸に入ると連続して魔物が現れる。素材は諦めて、一回の戦闘が終わったら岸から離れて、回復してから次の戦闘をするのがいいぞ。」
「ほう、わかった。ありがとう。」
「それじゃな。」
「ああそうだ井中、魔物の素材売却料届いたら、町に遊びに行かないか?」
「そうだなその時は連絡してくれ。」
と俺はその場を離れた。
・・・・・
集合場所に行くと、ドラゴンの勇者と螺旋の勇者だけが待っていた。
しかも、大きな荷物を背負っている。
ドラゴンの勇者サイナスはガッシリした体格で185センチ。冒険者風の服を着ている。髪は黒色で短い。
螺旋の勇者ガルドは、良くわからない星がついた派手な服を着ている、イケメンなのに勿体ない。体格は筋肉質だがムキムキでは無い、183センチ、髪は長め黒色。マントを付けている。
俺は、ステータスを見る。
ドラゴンの勇者 サイナス:山田 次郎 LV21
装備:竜の勇者腕輪 鋼鉄の剣 鋼鉄の鎧
HP ***/*** MP **/**
螺旋の勇者 ガルド:西山 徹 LV22
装備:螺旋のペンダント 螺旋剣 鋼鉄の鎧
HP ***/*** MP **/**
「やあ、待たせたみたいだな。他のパーティメンバーは?」
と俺はフレンドリーに言った。
「いない。」
と相変わらず偉そうなドラゴンの勇者サイナスが言う。
「おれ達は、従者とかを付けてないんだ、弱くてすぐ死なれちゃうからね。」
と螺旋の勇者ガルドが説明してくれた。
「この間の約束のレベルアップのサポートの説明をしろ。」
とサイナスが言ってきた。
「分かった。・・・・・・」
・・・・・
・・・・・
と俺は、”LVアップの加護魔法薬”の説明をした。
「それなら、その”LVアップの加護魔法薬”だけ渡せばいいんじゃねぇか?」
「まあ、そうだが、今まで渡した奴らの行動から判断すると、LVが急激に上がるものだから、調子に乗って戦闘して、死にかける者も出てきているんだ。だから俺がサポートについて行っている。」
「そんな奴らと一緒にするな。」
「・・・・まあ最初について行って、大丈夫なら次回は薬だけ渡すよ。」
「わかった。」
という事になった。
従者達が居ないので、馬に乗ってダンジョンに向かうことになったが、俺は馬に乗れないので、馬が引く小さな荷台に乗って行った。
凄くかっこ悪いわ。
途中魔物が出たが、二人はあっさりと倒してしまった。
馬車の大きい荷台が無いので、馬のスピードは速い。
おかげでもう、目的のダンジョンの入り口についてしまった。
ダンジョンの名は”錬金術師マラクハーゲリンのダンジョン”。
錬金術師マラクハーゲリンが作ったと言われている。
秘密の財宝が隠されているそうだ。
その財宝の守護には、錬金術で作られた様々なガーディアンがいるという。
財宝かワクワクするな。と思っていたら螺旋の勇者ガルドが話しかけてきた。
「井中さん、ダンジョンは初めてか?」
「え、ああ、初めてだよ。」
「ダンジョンには、トラップとかあるから、勝手に動かないでこちらの指示に従ってくれよ。」
リアルトラップはそういえば初めてだな、槍が降って来るとか落とし穴とかだろうか?”グラス”だとトラップは見抜けないからな。
「そうか、分かった。」
「それじゃ入るな。付いて来てくれ。」
「ああ」
と俺たちはダンジョン内に入っていった。
俺は”ライト”を唱えて明かりを作った。
”グラス”で確認したら、ダンジョン内は阻害作用が働くのか知らないが、魔物類がうまく表示できない。まあ、もともと”グラス”は”RVP”探索用なので、他の表示はおまけなのだろう。魔物表示が可能なのは、自分のいる場所から平面の半径10メートルの範囲のみだった。
・・・・・
中は洞窟のように湿っていて、空気が重かった。
ライトに照らされ、無数の歪な影が出来る。
奥で水音が響く。
リアルダンジョン気味わりーよ。
入って暫らくした頃、魔物が現れた。
陸穴ガエルエルが現れた。カエルの大きい魔物だ。
一匹だったので、ドラゴンの勇者サイナスがすぐに倒した。
倒れた陸穴ガエルエルは、まだびくびく動いていた。
ドラゴンの勇者サイナスは、短剣でそれをさばいて食肉用の部位を取っていた。今夜の食事になるらしい。
・・・・
何度か同じような魔物を倒して進んでいった。
・・・・
少し行くと開けた所が見える。魔物の気配があったので”グラス”確認したら、その上空にはガルガナ蝙蝠が百以上存在した。
レベルアップのいい機会なので、俺は”LVアップの加護魔法薬”を一本ずつ渡した。
本当ならガルガナ蝙蝠に先に攻撃してからと俺は思っていたのだが、止められた。
入った途端にトラップで泥沼にはまり上空から魔物に襲われるケースもあったという。
螺旋の勇者ガルドが石を投げ入れ、トラップなどを確認する。
その石の音でガルガナ蝙蝠が飛来して来た。
トラップが無いと分かると、二人は中に突入していった。
ギャー!ギャー!ギャー!ギャー!ギャー!・・・・・
と多数のガルガナ蝙蝠が牙を剥いて襲ってくる。
螺旋の勇者ガルドは、螺旋剣を振る。
ギャグーンンンンン!
ガッ!ガッ!ガッ!・・・・
・・・・・ボト!ボト!ボト!
と次々と体をえぐられたガルガナ蝙蝠が落ちていく。
ドラゴンの勇者サイナスも鋼の剣を数回振り
ザシュ!シュン!シュン!・・・・
グガッ!ガブッ!ゴッ!・・・・
・・・・・ボト!ボト!ボト!
と切られたガルガナ蝙蝠が落ちていく。
『すげえな二人とも、確かにこれじゃ魔術師とか従者とか付いてこれねえわ』と俺は思った。
ガルガナ蝙蝠がけして弱いわけではなかった。平均LV20もあったのだ。それをやすやすと倒すとは、二人の勇者は恐らく、剣技とか別の部分のレベルが高いのだろう。
しばらくすると、この開けた場所の魔物は全滅した。
・・・・・
・・・・・
とダンジョンを戦闘しながら俺たちは進んでいった。
今まで二人の様子を見てきたが、その口調や態度とは裏腹に慎重で用心深く、引き際もわきまえていた。
俺は、これなら”LVアップの加護魔法薬”を渡すだけで十分かなと思った。
・・・・・
・・・・・
ある部屋に宝箱が置いてあった。
俺は目を輝かせた。
「井中さん、ミミックかもしれない。」
「そうだ、止めて進むぞ。」
と二人は言ってきた。
「ミミックでも見てみたい。頼む。」
と俺は言いながら部屋に入っていった。
”グラス”には魔物の反応はなく、お宝だと確信していたのだ。
仕方がないと思った二人は戦闘体制を取り俺と一緒に部屋に入った。
俺は、ヨイショと蓋を持ち上げた。
宝箱は、確かにミミックではなかった。
が、宝箱を開けると魔法トラップが発動した。
シューンン!
魔法陣が部屋に広がる。
パーンン!
と光で辺りが見えなくなったと思ったら、別の部屋に飛ばされていた。
「でっめえー!何してくれるんだよ。」
とドラゴンの勇者サイナスに胸倉を掴まれた。
「すまん!」
と謝ったが、ヤバイまじで俺の不始末。
仕方ないので一発殴られた。痛い。こっそり回復魔法で直したけど。
宝箱が転移トラップなんてそりゃないよな。普通ミミックかお宝かの二択だろ。
・・・・・
・・・・・
・・・・・
”グラス”はダンジョン内だと細かい表示が出来ないので、勇者のマッピングで位置を割り出した。
そうしたら、さっきいたダンジョンの階より、地下五階分下に転移で飛ばされたという事が判明した。
とにかく、持っている物資の都合もあり、地上に帰らなくてはならない。
とりあえず二人のレベルを確認する。
ドラゴンの勇者 サイナス LV40
螺旋の勇者 ガルド LV42
おお、すごく上がってる。これなら行けるか。
もちろん俺の転移を使えば、俺だけは地上でもどこでも行けるが、欠点は人が運べない。
つまり、二人には自力でこのダンジョンを這い上がってもらうしかない。しかもリミット付き、”LVアップの加護魔法薬”を最初に飲んだ時から二四時間以内に安全なところにたどり着かなければならない。
俺たちは、飛ばされた部屋を出て地上に向かった。
二人について進んでいると、魔物の気配があった。”グラス”確認すると岩ゴーレムLV56だった。
俺たちは戦闘態勢をとった。




