1話 失踪事件
俺の名前は、井中 哲次郎
会社で片想いの女性が出勤しなくなってから一週間たった。
彼女にはもうとっくにフラれているのだが気になってよく眠れなかった。
彼女の名は、田中麗香。
そして昨日、今はやりの失踪事件であることが発覚した。
俺はその事件を寝る間も惜しんで、調べあげた。
自分でも何やってんだろなと思いながら、新聞やネットで情報を集めた。
そして、魔法陣による異世界転異か異世界召還で、異世界に行ったというトンデモ話に行き着いた。
彼女への未練もあったためか、藁をもすがる気持ちで俺は、この召還魔法陣を片っ端から集めて解読を試みた。
そして一か月がたち、ようやく魔法陣の使い方らしき方法と、魔法陣の描かれている模様の意味が解かってきた。
魔法陣の種類は全部で11、誰がネット上で広げたか分からない。
それぞれ、似たような文字が見受けられ、ネットでの配布時期も同じ頃のものであった。
困ったことに、麗香さんが使った魔法陣が分からない。
つまり、魔法陣を使ったところで、同じ異世界に転移できるとは限らないのだ。
それに、跡を追って麗香さんに会えたとしても、またフラれたらと思うとリスクが多すぎる。異世界から戻る手段も分からないのだ。
俺は諦めることにした。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
数日後、久しぶりに友人から電話があり、会うことになった。友人の名は林健吾という。
俺は最近ゲームをやらないが、友人の林はゲーマーで、よくゲームの話になる。
しかし、今日はゲームの話ではなく、今はやりの失踪事件の話になった。
俺は、林に調べた魔法陣を説明したら、是非使ってみたいなどと言い出した。
俺は、使わない方がいいと説得して、その日は帰ってもらった。
三日後警察から電話があり、林が今はやりの失踪事件で消えたので、話を聞きたいという事であった。
俺は驚いたが、やっぱり使っちまったかとも思った。
その警察から事情聴取では、ネットですぐ調べられる魔法陣のことだけ話した。
警察もいつもの迷宮入りだと言っていた。
五日後、俺の友人の彼女と名乗る人物から電話があった。林の事で聞きたいと。
というか彼女いたのかよ。まあ、顔イケメンだったしな。
次の日俺は、彼女と会った。
彼女の名前は、三田村 真紀菜
林との付き合いは、半年程になると言う。
林が失踪してから、警察とか大変だったらしい。
で三田村さんの要件は、”健吾を追いかけたいから、魔法陣の使い方を教えて”という事だった。
タイトル変更
1話 内容変更