17話 魔法の練習 1
昨日は剣の訓練だったが、今日は魔法の訓練があるらしい。
剣の訓練と同じく、週に一度の魔法の訓練が行われる。
剣の訓練と違い、魔法が得意でない勇者が訓練を希望したことで始まったそうだ。
城から、魔導士数人が中庭に集まってくる。
勇者達も全員集まっていた。
三田村真紀菜も来ている。
俺も勇者達と一緒に参加した。
また林に話しかけようと思ったら、三田村真紀菜がベッタリだったので、近くの不死身の勇者シンジに話しかけた。
「シンジさん、もう魔法ってどの位あつかえるの?」
「えっと、生活魔法と基本的な攻撃魔法、基本的な回復系統の魔法が使えるよ。」
「一か月半でそれは凄い。でも何故不死身なのに、回復系統の魔法を?」
「不死身でも毒にかかるとずっと毒の状態なんだよ。だから毒消し魔法とか必要なんだ。」
不死身なのに毒が続くって、そりゃきついな。
「なるほど、俺は勇者のサポート役なんで、回復系統はすべて神様から授かってるからあんまり深く考えて無かったよ。」
「それはズルイな。自分なんか最初なにも使えなかったんだ。」
「・・まあ、そういう設定だから、そのかわり、攻撃魔法は基本的な物しか使えないぜ。」
「そうなんだ、だからグリーンドラゴン相手に素手で殴りにいったんだ。」
・・・まあ普通グリーンドラゴン殴りに行くやついないわな。
「ま、そういうこと。」
「でも、井中さんは強いな、それも神様から?」
「そうだ、でも、”LVアップの加護魔法薬”は俺に効果が無いから、すぐに勇者たちに追い越されるよ。」
「ふうん。」
そう、この世界では、パーティでの全体の経験値獲得なんかありゃしないので、レベルを上げるとしたら個人で頑張らなくちゃいけない。だから勇者に、すぐレベルを追い越されるだろう。
そして、本当に”LVアップの加護魔法薬”は俺には効果が無い。実際飲んでみたら死にそうになった。毒である。”不滅”のおかげで助かったけど。
また、”不滅”なのだが、これも結界に封じ込まれたり、絶対零度で凍らされれたりするとお終いらしい。その中で永遠の時を過ごすそうだ。神様が気を付けるように言ってたよ。
俺は、結界に封じ込まれたり、絶対零度で凍らされれたりするのはいやなので、結界や魔法を破る剣技や魔法を身に付けたいと思っている。
と考えていたら、魔導師の偉そうな人物が来て、まず講義から始まった。
残念ながら、理論を一時間もかけて聞いていてもあまりピンと来なかった。
実際に初級から中級の攻撃魔法の試射になった。
遠くにある的めがけて、それぞれが魔法を放つ。
見ていると、レベルによって同じ魔法でも威力が違うらしい。
俺も、今習った中級攻撃魔法”エアプレッシャー”を唱えてみた。
呪文がめんどくさい。イテ!舌かんだ。不発に終わったよ。
もう一度チャレンジだ。舌が絡まる。言いにくいな。
失敗した俺を見て一人の魔導師が声を掛けてきた。
「井中さん?ですよね。」
「ああ、そうだが。」
「私はマイラムです。」
振り返って見ると、そこにはイケメンというか美男子の若い魔導士がいた。
女子高生とかが見たら”キャーキャー”言い出しそうな甘いマスクである。
「何か用か?」
「魔法はお得意でないようですね。」
初対面で言っちゃいけないだろそれ!
「悪いか。」
「お気に触ったのなら謝ります。」
美男子は、申し訳なさそうな顔で頭を下げた。
頭をさげられて俺は、しかめた顔を戻した。
「いやいい。本当のことだからな。」
「勇者のサポートで来たと聞いておりますが。」
「そうだが?」
「実は、ここにいる魔導士は私も含め、国から勇者に付いて行って、戦闘の補佐をするように言われています。」
「ほう。」
「明日あなたと一緒にパーティを組むので、一番レベルの高い貴方様に挨拶をしに来ました。」
「レベルが分かるのか?鑑定眼持ちか!」
と俺は、眉をしかめマイラムを睨んだ。
「そんなに怖い顔をしないで下さい。鑑定で見た結果は、誰にも言いませんから。」
鑑定眼か、何処まで見られたんだ?
「どこまで、鑑定できる?」
「え?レベルと名前、HPとMPあと貴族や勇者とかの称号もしくは職業ですよ。見れるのは。」
「称号、職業?」
「はいそうです。」
俺の鑑定は称号や職業なんて分からない。俺の鑑定がしょぼいのか?自分のステータスにも出てこないが?
まあ、性別も俺の鑑定には出てこないしな。
「俺の称号は何だ?」
「”使途”です。」
「・・・・なんだそれ。」
俺は、何とかフィールド何て出せないぞ。
「でも、私の鑑定結果に出ているんですが・・・・。」
まあいい。肝心の特殊能力を見られているか確認するか。
「なにか能力とかも分かるのか?」
「能力持ちなのですか?」
とマイラムは目を輝かせて俺を見た。
・・・・・・・どうやら能力は分からないようだ。
「なんで俺の所に来たんだ?」
「貴方と共に上手く勇者サポートが出来れば、生き残る可能性が高いからです。」
そうだよな、死にたくないもんな
「なるほどね。」
「お近づきのしるしに、魔法呪文の短縮のアドバイスをしてもよろしいですか?」
「魔法呪文の短縮だと!」
「え?間に合ってますか?」
「いや、是非教えてくれ。マイラムさん。」
と、その日俺は、呪文の短縮のコツを学んだ。
この美男子は、とても教え方がうまかった。
とても優しい声で教えてくれた。俺が女の子だったら濡れちゃうだろ。
俺にそっちのケはないが。
おかげで”エアプレッシャー”が一秒もかからずに打てるようになった。
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