13話 レベルアップ 銃と不死身 1
本日2話目の投稿
ゴトン、ガタン。
俺は馬車に揺られて、少し乗り物酔いをしている。
勇者一行と馬車にのって、ある場所に向っているのだ。
今日のパーティメンバーは、勇者が二人、若手の神官が二人、従者が四人、そして俺。
よくある異世界無双小説では、無限収納が出来る四次元アイテムが出てくるが、この世界には残念ながら無い。
その為、荷物は従者がすべて持っていくことになる。
四次元アイテムを使ったことが無いので不便さは感じられないが、異世界だったら欲しいところである。
そう、今日は勇者二人のベルアップを手伝いに来ている。
二人のステータスは以下の通りである。
銃の勇者 スミス:池谷 謙和 LV15
装備:銃の勇者腕輪 革の鎧 実弾銃コルタガブムント38 魔法銃タカレフカスタム
HP **/** MP ***/***
・・・・・・・
不死身の勇者 シンジ:御手洗 慎二 LV15
装備:不死身の勇者の心臓 鋼鉄の鎧 鋼の剣
HP **/** MP ***/***
・・・・・・・
今朝二人に会って”LVアップの加護魔法薬”は説明済みだ。
銃の勇者スミスは、西部映画のガンマンのような服装で、渋めのハリウッド男優みたいな顔立ちだ。名前は日本人なので、恐らく神様にもらった体であろう。
不死身の勇者シンジは、ごく普通の高校生くらいの日本人である。顔も平凡。服装は冒険者風の格好だ。
何故こんな不釣り合いな格好の二人が一緒にいるかは疑問だった。
しかし、目的地に着くまで様子を見ていたら、話が合うらしく道中ずっとゲームの話をしていた。
俺は納得した。
そして、目的の場所は”魔物の森”と呼ばれる場所で、深く入り込まなければ、初級の冒険者でも通用する場所だ。
・・・・・
ゴトン、ガタン。馬車は進んでいく。
・・・・・
パーティ一行は、”魔物の森”の浅いところに入り込んだ。
森に入ると、霧が辺りに出てきて視界が急に悪くなる。
前方に魔物の気配が感じられた。
俺は、腕輪の宝石を触り”グラス”と呟く。
サングラスが俺の顔に現れる。
神様にもらった物だ。
ウェアラブル端末のようなもので、マップなどを表示できる。
当然、敵味方など表示可能だ。
本当は、”RVP”の位置把握や判別をするために貰ったのだけどね。
マップを見ると、前方に魔物が八匹、こちらに向かってきている。
残念ながら、”グラス”では相手の名前とレベルしか分からない。
表示によると”ヒミワリドンガン”と言う魔物だ。
レベルを見ると、ゴブリンよりは強い。
俺は勇者達に知らせ、馬車を止めた。
当然、勇者には”LVアップの加護魔法薬”を飲んでもらった。
全員武器を構える。
戦闘の開始である。
肉眼で魔物が見えてきた。
ヒマワリの花に似た植物の魔物で結構大きい、二メートル位だろうか?
銃の勇者スミスは、ヒミワリドンガンに先制攻撃を放つ。
ダンダンダン!
スミスの愛銃、コルタガブムント38が火を噴く。
ヒミワリドンガン三体の頭が吹き飛ぶ。
『ひょう!やるね。いい腕だ。三発とも当たってるよ。』と俺は心の中で感心した。
不死身の勇者シンジが馬車から降り、右のヒミワリドンガンに三体に突撃していく。
ヒミワリドンガンは蔓状の触手で攻撃してきた。
ヒュン!
シンジはこれを避け、鋼の剣を振るう。
ザン!
ドサ!
ヒミワリドンガン一体が崩れ落ちた。しかし裏の二体が何か飛び道具を放ってきた。
ポン!ポン!
飛び道具は種であった。
ヒミワリドンガンの種が、シンジの肩と足に当たり肉が吹き飛び血が辺りにまきちる。
しかし、シンジはケガを気にせずに、二体のヒミワリドンガンを切り倒す。
俺は、回復呪文を掛けようとしたが、こちらを振り返ったシンジを見ると、シンジの傷はもう既に治っていた。
『さすがは、不死身の勇者だ。』と思った。
左の二体は、神官二人がウインドカッターで攻撃しているが、魔法の威力が弱いので時間が掛かっているようだ。
スミスが、神官が相手をしていた魔物二体を撃つ。
ダンダン!
ヒミワリドンガン二体の頭が吹きび戦闘が終わる。
・・・・・・
従者が魔物の素材と魔石を採取している。
魔物の素材は、町で買い取ってもらえるそうだ。
魔石は、魔物の核となる部分で、色々なアイテムや薬の材料になったり、魔法を使うときの補充源になったりするらしい。
それを横目で見ていた俺に、スミスが話しかけてきた。
「哲次郎さん。”LVアップの加護魔法薬”は凄いね。今の戦闘でレベルが一気に上がったよ。」
スミスのステータスを見るとレベルが三も上がっていた。
「それはよかった。しかしスミスさん、貴方の腕もいいがその銃すごいね。ドラゴンも一発じゃないのか?」
とほめてみた。すると嬉しそうに。
「そうだろ、この銃なら弾丸しだいでロックドラゴンも倒せるんだぜ。ただし、実弾だから数弾が限られているのが難点だけどな。」
「そうか弾がねえ、そっちの銃は使わないのかい?」
と魔法銃タカレフカスタムを指さした。中国製のあの銃のような形だ。
「こっちは魔力を消費するんだ。まだレベルの低い俺じゃ回数が限られる。それに魔力は温存しないといけないからさ。」
なるほど、回復魔法とかに魔力を取っておかないとイザというとき困るからな。
と話していたら、従者が魔物の素材を馬車に乗せる作業が終わった。
俺たちは、森のなかほどへ進んでいった。
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ゴトン、ガタン。馬車は進んでいく。
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