9話 林との再会 2
俺は林に、俺たちがここに来た理由等を説明した。
三田村さんが魔法陣を使って林を追いかけたこと。
俺が巻き込まれて、同じく魔法陣で転移したこと。
神様への対価として。勇者のサポートの仕事を受けたこと。
話している最中ずっと、三田村さんは林にベッタリしていた。
一方、林は渋い顔をしていた。
友と彼女に会ったのに何が不満なのだ。
俺なんか巻き込まれてこの世界に来る羽目になったんだぞ。
と不機嫌になってしまった。
三田村さんがトイレに行くと言い出した。
俺もついでにトイレの場所を教えてもらおうかと思ったので、三人でトイレに向かった。
俺は林とトイレに入った。
終始無口だった林が、俺に話しかけてきた。
「何で、真紀菜を連れてきたんだよ。せっかく異世界に逃げ込んだのに。」
渋い顔をしていたと思ったら、彼女から逃げてきたのか!
それにしても言いがかりである。
俺は、巻き込まれたのだから。
「何言ってるんだ。さっきも言った通り、俺は三田村さんが使った魔法陣に巻き込まれたんだぞ。刃物まで出されてんだ。」
と強く言った。
「・・・・わかったよ。そうだよな、真紀菜ならやりかねない。」
「とにかく、このミッションを成功させようぜ。」
「ああ、でもさっきの話からすると、オレがこのミッションを成功させても、願いを叶えて貰った世界に真紀菜も来るって事か?」
「そこは、神様と相談しろよな。」
「・・・・そうだな分かった。」
俺は、少し気の毒になったが、俺も人のことは言えない気の毒な状況だ。
トイレから林の部屋に帰ったら、一人の若い神官が待っていた。
「井中哲次郎様と三田村真紀菜様にはそれぞれ部屋が用意されています。これからご案内します。」
と若い神官は言った。
「私は健吾と一緒の部屋でいいわ。」
と三田村さんは言った。
それを聞いた林は、目が死んでしまった。
林が俺にすがる様な顔で俺を見ていたが、俺にアイコンタクトの技能は無い。
俺は巻き込まれると厄介なので無視した。
という事で、俺だけ若い神官に部屋に案内されることになった。
◇◆◇◆◇◆
「よろしくお願いします。井中哲次郎さま」
と、俺のために用意された部屋には、犬耳メイドというか犬耳幼女が待っていた。
犬耳メイド幼女、名前はサクミ、俺の専用メイドらしい。
若い神官は言うには、急な召喚だったので、この子しか用意できなかったそうだ。
そして、勇者には全員メイドがあてがわれているとの事だった。
神官が返った後、サクミが昼食をもって来てくれた。
「哲次郎さま。お昼です。」
とテーブルに並べてくれた。
とても可愛い。
耳もピョコピョコ動く。
なでなでしたい。
もちろん、ペット的な意味だ。
あっちの方は、ちょっと幼過ぎて俺には無理。
俺は昼食を食べながら、デザートの焼き菓子をサクミにあげた。
「ありがとう、哲次郎さま。」
といって美味しそうに食べた。
とても嬉しそう。
次もお菓子あげちゃおう。
俺が昼を食べ終わると、サクミは食器を片づけてもって行った。




