0話 死霊のダンジョン攻略
ここはダンジョンの中
俺たちは、LVを上げるべく、ダンジョンのボス攻略に来ている。
ヴァーチャルオンラインRPGじゃないかって?
残念ながら現実。
六人の仲間が目の前で切り刻まれてたり、腐食したりして死んだ。
食い殺された奴もいたっけ。
また、このダンジョンで死ぬとゾンビやスケルトンになる。
つまり、六人の仲間の死体はすべて焼き払ってきた。
さっきまで、世間話をしていた仲間だぜ。
この世界に慣れた俺でも気が滅入る。
二十人でのパーティが十四人になっていた。
「テツ!」
と俺の名前をケイゴが呼ぶ。
「どうした?ケイゴ」
「”LVアップの加護魔法薬”が切れちゃったんだ。またもらえないか?」
「わかった。」
と言われて、俺は荷物の中から一本のポーションを取り出し渡した。
「サンキュウ!」
と言って、ケイゴと呼ばれる若者がポーションを取り、飲み始めた。
「ゴクゴク」
栄養ドリンクのように一気に飲み干す。
とその時、通路の奥から、おぞまし眼光が光った。
真っ赤な髑髏が闇に浮かび上がる。
「ぐあー!」「ぎゃー!」
一瞬でパーティの先頭の二名を切り捨てた。
速い!
しかし、パーティ全員は乱れることなく、いつものように敵に対して陣形を取った。
俺とケイゴも陣形に加わっていた。
髑髏の騎士だ。死霊騎士とか呼ばれている部類に入る。
俺たちの目の前に赤い髑髏の騎士が立ちはだかる!
その後ろに、数体の髑髏の騎士を引き連れていた。
赤はやはり、リーダーなのであろうか?角は付いていないが。
「強敵だな。」
とケイゴが言う。
「ああ、そうだな。パーティメンバーじゃ無理そうだ。」
「みんな!魔法防御壁を張って、待機していてくれ!俺とテツが倒す!」
と言って、ケイゴが赤い髑髏の騎士に切りかかて行った。
俺も魔法で援護する。
俺の魔法で、数体の髑髏の騎士はすべて塵と変わる。
ケイゴはというと、既に援護の必要はなく赤い髑髏の騎士を翻弄していた。
赤い髑髏の騎士のスピードは速かったが、ケイゴはそのすべての斬撃を見切っていた。
ケイゴは攻撃を数度受け流し、最後に袈裟切り、更に魔法で焼き払った。
強い!さすがは勇者。
戦闘は、ものの数分もかからなかった。
ケイゴと俺が呼ぶ人物は、御剣圭吾、この世界では”剣の勇者”である。
俺も勇者かって?
いや違う、俺は神様から勇者のサポートを頼まれてる。
そう、”LVアップの加護魔法薬”を配っているのだ。
じゃあ何故一緒に戦っているのかって?
それは、もう一つの神様からの依頼、”RVP”というこの世界にはいない筈の化け物を始末するためだ。
このダンジョンの下に”RVP”の反応が出ていた。
剣の勇者が、こののダンジョン攻略に行くというから、俺はついてきたのだった。
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そして物語は、俺がこの世界に来る切っ掛けになった六ケ月前に遡る。