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い号作戦③

アレキサンドリアを飛び立った日本陸海軍航空隊の機影は、シチリア島に展開するドイツ空軍のレーダーサイトにより捕捉され、警報が出されると空軍基地からBf109が次々に飛び立ち、探知された目標へ向かった。


「クソッ何て頑丈な機体なんだ!」

ドイツ空軍第27戦闘航空団「青中隊」中隊長アウグスト・アーダルベルト大尉は自身の乗るBf109の操縦席でそう叫んでいた。

アウグストが睨む先には、双発の爆撃機が強固な編隊を組み、防御機銃を撃ってきていた。

アウグスト率いる青中隊は、イタリア空軍のMC.202に似た日本軍戦闘機を躱し、爆撃機編隊に襲いかかった。

しかしアウグストの所属する第27戦闘航空団の保有するBf109が全てE1型だったのが彼等の不幸であった。

E1は機首と翼内合計四門の機銃を装備していた。

しかしこの機銃は全て、7.92mmのMG17であった。

この時アウグストが攻撃を仕掛けたのは、陸軍航空隊の百式重爆の編隊であった。

この時日本軍は、使用機材の統一を1部で行っており、この百式重爆も海軍の一式陸攻を採用した物であった。

「被害状況は?」

機長の諏訪彦一大尉は、操縦桿を握りながらそう聞いた。

「発動機に問題なし!機体にも異常はありません」

通信席に座るベテランの軍曹からの報告に、諏訪は安堵の表情を見せた。

「全く海軍サンも化物みたいな爆撃機を作ったな。今までの97式なら今頃全員靖国に行ってたな」


「敵戦、再度突っ込んできます!」

機体上部の機銃を操作する搭乗員の叫び声が響くと、機内に鉄を叩くような音が響き渡った。

「大丈夫か!?」

諏訪が声を掛けると、先程声を上げた搭乗員の声が響いた。

「主翼上面に若干の穴が見られますが、燃料漏れ等ナシ!」

更に機体の各銃座からは、ドラムのような連続した射撃音が響き渡り、ドイツ空軍機を近寄らせなかった。


「クソッ!全機もう一度攻撃だ!」

アウグストはそう叫ぶと、列機を引連れ突撃した。

しかし百式重爆から延びる火箭は、衰えることなくアウグストたちを迎え撃った。

「此方三番機、エンジンをやられました!攻撃続行不能!」


「此方四番機残弾がありません!攻撃不可能です!」


「了解した!着いてこれる奴は続け!」

だがここで重爆の編隊に動きが見られた。

それまで強固な密集編隊を組んでいた爆撃隊が、次々と編隊を解き、高度を下げ始めたのであった。


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