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アレキサンドリア防空戦③

「敵編隊遁走していきます」


「了解した。各砲座撃ち方止め。損害を集計、報告させろ。それから手筈通り、百式司偵を発進させろ。敵飛行場の位置を偵察させるんだ」


「了解しました。独立11飛行隊の百式司偵を出します」

防空司令部では、帝国軍人たちが事前に決めていた行動に移っている側で、英國軍人たちは呆気に取られていた。

彼らの常識では、地上からの対空砲火であれだけの被害を与えるのは難しいと考えていたからだ。

しかし英国軍人よりも衝撃を受けていたのは、撃たれた側の独軍であった。


「何だこの被害は!?」

シチリア島に何とか帰還した爆撃機編隊からの報告を受け、司令部ではケッセルリンク大将がそう叫んだ。

滑走路上には帰還した爆撃機が駐機していたが、無傷な機体を探すのは難しいものであった。

胴体に大穴の開いた機体、機体が燻された様に黒くなった機体、尾翼の半分が吹き飛んだ機体と様々であった。

出撃機の帰還が一段落しても、受け持ちの機体を待つ整備員が滑走路の脇で佇んでいた。

司令部では、ケッセルリンク大将が帰還した次席指揮官から報告を受けていた。

指揮官機が撃墜されたため、指揮を引き継いだ次席指揮官は頭に真新しい包帯を巻かれた状態で報告を行っていた。

「我々を攻撃してきたのは英空軍機だけではありませんでした。翼章から日本軍機と思われる機体もいました。日本軍機は何れも大口径機関砲を搭載しており、He177でも当たり所によっては撃墜された機体が出ています。また敵の対空砲火ですが、これも異常と言っても過言ではない位のものでした・・・・・・撃墜機の大半はこの対空砲火によるものだと思われます」

この報告に司令部では、重苦しい空気が流れた。

策もなく今回と同じ攻撃を続ければ、第2航空艦隊の戦力は早々に払底してしまうからだ。

「北フランスからの増援部隊が来るまでアレキサンドリアへの攻撃は控える。代わりに地中海での通商破壊及び英国海軍への攻撃は継続する」

ケッセルリンクはそう決断すると各部隊に対して戦力の温存と再編を命じるのであった。


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