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Grown up  作者: 鳥居華音
3/3

魔法

彼には魔法が使えなかった。


そもそも魔法とは何なのか。


魔法とは、奇跡である。

魔法とは、奇跡である。

魔法とは、神秘である。

魔法とは、借用である。


どうして魔法が使えるのか、どうして魔法が発動するのか誰にもわかっていない。

だが、老人はある結論を導き出していた。


「魔法とはの、強大な存在に力を借りているのじゃ。火の魔法は火の魔物に、水の魔法は水の魔物に。だからその力は借り物で、自分の力だと誇るのはおこがましい」


「でも爺ちゃん、俺は魔法が使えないよ」


この世界に居るものは基本的に全員魔法が使える。

だが、善悪の感情無く魔法を扱うのは危ないということで、通常は年齢が二桁を超える当たりで親から教えられる。

彼は親から教えられていないのは当然だったが、早めに教えようと老人が手を尽くしたが、ついぞ彼が魔法が使えた痕跡は無かった。


「んーむ、お主は直接ピーターに会ってるからのぉ、世界の生き物から恐れられてるのかもしれんのぉ。まぁ、時がたてば使えるようになるかもしれんから、気長にやるんじゃの。さて、今日は投げナイフのやり方を教えてしんぜよう」


「うん!」


子供ながらの切り返えの早さで、彼は既に興味がナイフに移っていた。


その後ろ姿を見ながら老人はひとりごちる。


『見たところ、魔法が使えないわけでなく、一つだけ使えると言った所かの。じゃが、その魔法は。。。 その魔法のせいで、他の魔法が使えないということのようじゃの。さて、いつ真実を伝えるべきか。。。」


片手間に投げナイフを投げ、全て的に命中させ、彼からの尊敬を浴びながら、老人は悩むのであった。

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