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奇談 ー雑談会ー

作者: type0

最近は忙しかったり入院したりと色々あって行ってないけれど、よく京都のお寺に行ってます。

観光とかではなくてお寺のお手伝いで。

だからといって坊さんじゃあ、ありません。

旧家の家ってお世話したり、されたりしているお寺があったりして、その関係で手伝いに行かされます。


ある日、ニュース等でお寺の仏像が頻繁に盗まれているという情報が連日お茶の間を賑わせていたので、しばらくお寺の警備をしようということになりました。

私は若いから、という理由で夜中の警備をやらされました。

まぁ、昼間と違い雑誌を読んだりゲームしたり出来るので昼間よりは気が楽でした。


私が警備していたお寺っていうのが結構大きく、全箇所を周るのに1時間ぐらいは掛かったと思います。

おまけに冬の真夜中。

寒いし真っ暗なお寺の中は不気味です。

ただ、不思議なことに怖いという感じはありませんでした。


21時に見周りをした際、客間にロウソクで灯した様な明かりと話し声が聞こえてきました。

このお寺、仏間の上の階が客間になっていて、部屋の入口は障子で区切られていました。

障子越しに明かりが点いているのは分かりますし、話し声も分かります。

いつも結構遅くまで教を唱えてたり説法してたりするので、21時でも客間が使われていることはよくありました。

だからその時も怪しいとは思いませんでした。


夜中の1時になり、見回りをすることのしました。

お寺の入口、本堂、仏間と見て周り、客間の前ではまだ明かりと先程と同じ声で話し声が聞こえました。

さすがにこんな時間に人が居てるのもおかしいと思い、耳を澄ましてみると、ひそひそとした話声。

「うちの子が・・・」と聞こえたり、「あの時は・・・」と聞こえたり。

泥棒が話している様な感じはなく、お寺の関係者が世間話でもしている様でした。

しかし、いくらお寺の関係者でもこんな時間まで客間を使っているのは不自然。

「遅い時間に失礼します」

「あ、もうそんな時間か」

私が声を掛けながら障子に手をかけると、部屋の中から返事がありました。

私はスーっと障子を開けると部屋は暗く、誰もいませんでした。

その時、もし部屋に居てたのが幽霊だったとしたら生きている人と変わらない様な気がして、不思議と笑いが込み上げてきました。


事務所に戻り私と一緒に警備をしていた人に先程の客間のことを話してみました。

「ああ、よくあの部屋から誰もいないのに話し声聞こえるよ。部屋へ出入りして消えるところもよく見かけるらしいよ。」

その人は微笑みながらいいました。


数日後、他の人にも客間のことを聞いてみたら、お寺のあちこちでときたま幽霊を見かけるらしいです。

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