『もしも』料理や食材の知識が0のキャラクターだらけの料理小説があったら……

　田中VS山田による料理対決は佳境を迎えていた……

「田中さん！それはなに!?」

「高橋さん。これは『米』だよ！」

「田中さん！相手は山田さんよ！ふざけていたら勝てないわ！こんな固い物食べられないわよ！」

「ふふふ。大丈夫。こいつに魔法をかけましてっと！」

※米が炊き上がる。

「あの固くて白い粒が柔らかくなるわけ……嘘でしょ!?ふっくらして……おいしい！」

「どうだい！」

「でもこれだけじゃ山田さんにはかてないわ！もう一声！」

「ガッテン承知の助！こいつもあるよ！」

「まぁ！なにそれは！西洋の甘いとされているお菓子チヨコレイトに似てるわ！」

「これまた魔法をかけましてっと！」

※カレーが出来上がる。

「田中さん！ひどいわひどいわ！真剣勝負なのに！せっかくのお米にこんな……うんちみたいな色の液体をぶっかけるなんて！」

「たべてみなよ！」

「嫌よ！……あれ？いい匂い……」

高橋は右手でカレーを掴んで口に運んだ。

「おいしい！嘘みたい！こんなのって！お口のなかでご飯とカレーがウルトラドッキングマッスルカーニバルよ！これなら……山田さんに勝てるわ！」

「当然！見たところ山田は肉を焼いただけ……勝ったな！」

（浮かれるな……田中よ。お前は料理に必要な大事な事を忘れている……）

「田中さん！ところで『肉』ってなに？」

「動物の皮を剥いだものさ！」

「嫌だ残酷！」

「タイムアップです！それでは審査にはいります！」

※田中の作ったライス・カリーのうまさにビックリして座りショウベンこいてしまう審査員たち……続いて山田のステーキを食べる。

これにはノーリアクションだった。

「それでは審査結果の発表です！勝者……山田！」

「なにぃ！なぜだ！山田！キサマ審査員を買収したな!?」

「愚かなり田中！お前は自分の知識の豊富さに溺れ、大事なことを見落としたのだ！」

「それはなんだ!?」

「みろ！審査員のあの、みずぼらしい情けない顔を！奴らは貧乏人だ！」

「しっ……しまった！」

「そう！私はいいお肉のすごく希少な部分を焼いてだした。奴らはステーキだしときゃ文句無しだからな！『高いお肉はおいしい！』お前は基本を忘れていたのだ！」

「やられた……」

こうして対決は山田の勝利で幕を閉じた……次回は野菜勝負である。

「次こそは勝ってみせる！」

「そのいきよ田中さん！ところで聞きたいんだけど！」

「なんだい？」

「……野菜ってなに？」

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言い忘れていましたが、登場人物は全員全裸です。