低音
足音が聞きたい
深海みたいなの
眠りながら話してる
吠えない魚みたいな
そうピアノのずっと底
そのまま叩いていて
海底の呼吸みたいに
ずっと歩いていて
永遠の足音でいて
やめないで
上ずらないで
天を仰がないで
激しく叫んでもかまわない
地面を割り切って吸いとって
インフェルノ引きずって
沈みながら歩いて来て
でもここには来ないで
目指さないで
空に向かわないで
悲しみの雨雲を
哀しみで吹き流して
モノクロの虹を這わせて
彼女のため息
君への侘しさ
あなたの無くしたもの
探し続けるふりして
足跡は消えるけど
足音は忘れないまま
くろいなみだおとしたら
消して
決して
ここには来ないで
それでも
足音が
私が私を
踏んでしまう
ぐしゃりと▼