何もかもを失った俺には到底。
俺はすべてを失った。
名誉も富も、何もかもを失った。
そんな時、君という人に出逢い、恋をした。
最初から報われないだろうとは思っていた。
どうせ、この恋は片想いで終わってしまうのだろうと思った。
だけど、この恋は予想以上に、俺の中で膨らんだ。
何もかもを失ったからこそ分かる、愛しき人の大切さ。
それは、寂しさを埋めるためかもしれない。
それは、悲しさを埋めるためかもしれない。
だけど、俺は何より、この辛い現実を忘れたかった。
だから、俺は君に声をかけた。
「一緒にお茶でもどうですか?」 って。
ありふれた言葉だろう。
ナンパには、よく使われる言葉だろう?
まぁ、漫画やテレビだけの話だとは思うが。
しかし、そんなどこにでもあるような言葉で、俺は君に近付いた。
君は最初、「変な人」「危ない人」って思ったことだろう。
だけど、君はそんな風に感じながらも、ゆっくりと頷いてくれた。
それは、君もどこか悲しそうな顔をしてたからだろうか?
・・・いいや、そんなことを言ったら、君に対して失礼かな?
だけど、俺はそうやって、君と出逢い、 付き合うことになった。
それからしばらくして、俺は元気を取り戻した。
こんな風に言うのは恥ずかしいけれど、
お互いの愛を深めあうことで、俺は元気を取り戻した。
だが、出逢って三年目の記念日、 君は俺の目の前から突然消えた。
何を言うわけでもなく、 何かを書き残すわけでもなく、
そこには泡も音も何も残っていない。 俺はまた、失った。
だけど、俺にはまだ、取り戻した名誉がある。 富がある。
俺はまだ、すべてを失ったわけじゃない。 まだ、残ってる。
そして、君が教えてくれた、愛しき人への愛も残っている。
だから、俺はこの愛が消えるまで、君を待つことにするよ。
どうせ、どうせ、 君はもう戻っては来ないのだろうけど。
君の笑顔を、もう二度と見ることは出来ないのだろうけど。
俺は君が戻ってくることを願ってる。 祈ってる。
君が帰ってきたら、俺も笑って「おかえり」って言えるように、
俺は、ずっと、ずっと、 この愛が消えない限り、待ち続けるよ。
俺はお前を本気で愛しているから、
いつでもお前の戻りたいときに戻ってこいよ。