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幼なじみ公爵令息様の本気が、最近ちょっと怖いです  作者: ayami


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第13話 「俺のそばにいろ」


 ――翌日。


 私は、朝から落ち着かなかった。


(昨日の空気……重すぎました……)


 三角関係正式スタート。


 選ぶのは私。


 逃げ場なし。


(……胃が痛い……)


 そんなことを考えながら、席に着く。


 すると。


「……リリア」


 低い声。


 隣を見ると、レオン。


 いつもより、真剣な顔。


「……はい?」


「今日、放課後」


「空けとけ」


 有無を言わせない口調。


「え? えっと……」


「大事な話がある」


 そう言って、前を向いた。


(な、なんですかそれ……)


 嫌な予感しかしない。


 昼休み。


 私は、友人たちに囲まれていた。


「ねえリリア!」


「最近すごくない!?」


「レオン様とアルト様に同時に狙われるとか!」


「少女漫画じゃん!!」


「や、やめてください……!」


 顔が熱い。


 そこへ。


「リリアさん」


 爽やかボイス。


 アルト登場。


「今日、放課後さ」


「一緒に街に行かない?」


「え?」


「気分転換、必要でしょ?」


 優しい笑顔。


(……たしかに……)


 悩んでいると。


「ダメ」


 背後から、即却下。


 レオン。


「……もう約束してる」


「してないけど!?」


 即ツッコミ。


 アルトが苦笑する。


「また勝手に決めてる」


「……譲らない」


 レオン、低く言う。


 二人の間に、火花。


(ああもう……!)


 放課後。


 私は、半ば連行されるように、中庭へ連れてこられた。


 人のいない、奥のベンチ。


 夕日が差し込む。


「……ここで話ですか?」


「ああ」


 レオンは、私の前に立つ。


 珍しく、少し緊張した様子。


「……なあ」


「はい……?」


「昨日の話」


「覚えてるか」


「……はい」


 選ぶのは私、という話。


 忘れるわけがない。


 レオンは、拳をぎゅっと握る。


「……正直に言う」


「俺」


「待つの、得意じゃない」


 いきなり。


「え?」


「お前が他の男に見られるのも」


「話すのも」


「近づかれるのも」


「全部、嫌だ」


 ……全部。


 独占欲、全開。


 でも。


 まだ続く。


「だから」


 レオンは、私をまっすぐ見る。


「もう、曖昧なのやめたい」


「……?」


 一歩、近づく。


 距離が縮まる。


 心臓が跳ねる。


「俺のそばにいろ」


 低く。


 強く。


 断言。


「俺が守る」


「俺が全部引き受ける」


「だから」


「他のやつ見るな」


 ――完全な独占宣言。


(……重い……)


 でも。


 不思議と、怖くない。


 真剣すぎるくらい、真剣だから。


「……それって」


 私は、小さく聞いた。


「命令ですか?」


 レオンは、少しだけ目を伏せる。


「……違う」


「頼みだ」


「俺には」


「お前しかいない」


 その一言で。


 胸が、ぎゅっと締め付けられた。


(ずるい……)


 そんな顔で。


 そんな声で。


 言われたら。


「……レオン」


 私は、勇気を出して言った。


「私は」


「まだ、ちゃんと考えたいです」


 レオンの表情が、一瞬、揺れる。


 でも。


 私は続けた。


「でも……」


「あなたのそばが、落ち着くのは」


「本当です」


 嘘じゃない。


 一緒にいると、安心する。


 守られてるって感じる。


 レオンは、目を見開いた。


「……それって」


「……期待していいのか」


「……少しだけ」


 そう答えると。


 彼は、小さく息を吐いた。


「……十分だ」


 そして。


 私の手を、そっと握る。


 昨日みたいに強引じゃない。


 優しく。


 大事そうに。


「……もう離さない」


 小さく呟く。


(……やっぱり重い……)


 でも。


 嫌じゃない。


 むしろ――嬉しい。


 その様子を。


 少し離れた場所から。


 アルトが、静かに見ていたことを。


 私は、まだ知らなかった。


 彼は、小さく微笑みながら呟く。


「……なるほど」


「本気の独占、か」


「……負ける気、ないけどね」


 ――恋の戦争は、まだ終わらない。


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