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幼なじみ公爵令息様の本気が、最近ちょっと怖いです  作者: ayami


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第12話 「私、何かしました?」


 ――翌朝。


 私は、教室に入った瞬間、違和感を覚えた。


(……あれ?)


 視線。


 多い。


 やたら多い。


 ひそひそ声も、いつも以上。


「昨日見た?」


「手、繋いでたよね……?」


「やっぱり付き合ってるの……?」


 ……え?


(な、なんの話ですか!?)


 心臓が跳ねる。


 まさか。


 昨日の……?


(ば、バレてる!?)


 まだ正式に何も言ってないのに!


「おはよう、リリア」


 席に着くと、背後から声。


 レオン。


 いつも通り……に見えるけど。


 今日はやけに距離が近い。


 近すぎる。


 椅子、くっついてません?


「お、おはようございます……」


 顔が熱い。


 すると。


 ――ぎゅ。


 突然、手を握られた。


「えっ!?」


 教室。


 静まり返る。


 数秒後。


 ――ざわあああ!!


「今、掴んだ!?」


「堂々とすぎる!!」


「もう隠す気ないじゃん……!」


(ちょ、ちょっと待ってください!!)


 私は慌てて手を引っ込めた。


「な、なにしてるんですか!」


「恋人だから」


 即答。


「……は?」


 頭が停止した。


「……え?」


「昨日、OKしただろ」


 真顔。


「だから、もう俺の彼女」


 さらっと爆弾。


(ええええええ!?)


 待ってください!


 そんな正式な話してません!!


 私は、赤面して固まる。


「おはよう、二人とも」


 そこへ。


 爽やかな声。


 アルト。


 ……空気、凍る。


 彼は、一瞬、私たちの手を見る。


 そして、すぐ微笑んだ。


「……なるほど」


「もう、付き合ってるんだ?」


「ち、違――」


「そうだけど?」


 レオンが被せる。


 即答。


 強気すぎる。


(やめてください!!)


 私は、必死に否定しようとする。


「まだ、ちゃんと……」


「リリアさん」


 アルトが、私を見る。


 真剣な目。


「放課後、少し話せる?」


「……二人きりで」


 ――沈黙。


 教室が、ざわつく。


「え、呼び出し?」


「修羅場……?」


 レオンの表情が、一気に険しくなる。


「必要ない」


「あるよ」


 アルトは、穏やかだけど、引かない。


「ちゃんと、気持ち伝えたい」


 私の心臓が、強く鳴った。


(こ、告白……!?)


 放課後。


 私は、指定された中庭へ向かっていた。


(どうしよう……)


(レオンには、なんて言えば……)


 すると。


「……やっぱ来たか」


 低い声。


 振り向くと――レオン。


「え!? なんで……」


「ついてきた」


 堂々。


「二人きりは、許さない」


 即答。


(独占欲!!)


「だ、大丈夫ですから……」


「大丈夫じゃない」


 譲らない。


 その時。


「リリアさん」


 アルトが現れた。


 二人を見るなり、少し苦笑。


「……やっぱり来ると思った」


「予想通りだよ」


 完全に読まれてる。


 三人で、並んで座る。


 微妙すぎる空気。


 誰も、最初の一言が出ない。


 沈黙。


 五秒。


 十秒。


 先に口を開いたのは、アルトだった。


「……正直に言うね」


 私を見る。


「僕は、リリアさんが好き」


「本気で」


「だから、簡単には諦めない」


 真っ直ぐ。


 逃げ場なし。


「でも」


 ちらっとレオンを見る。


「奪うつもりはない」


「選ぶのは、リリアさんだから」


 ……重い。


 選択を委ねられる。


 胸が苦しい。


「……お前」


 レオンが低く言う。


「綺麗事言うな」


「俺は、譲る気ない」


「リリアは、俺のだ」


 即断言。


「……勝手に決めないでください!」


 思わず叫んだ。


 二人、驚く。


 私は、深呼吸して続けた。


「私は、物じゃありません!」


「……ちゃんと」


「自分で決めます!」


 初めて、強く言えた。


 二人は、黙る。


 そして。


 アルトが、ふっと笑った。


「……やっぱり、好きだな」


「そういうところ」


 レオンも、少しだけ照れたように言う。


「……強いとこも」


 心臓が跳ねる。


(ちょっと……ずるい……)


 私は、二人を見て、ゆっくり言った。


「……今すぐ、答えは出せません」


「でも」


「逃げません」


「ちゃんと、向き合います」


 二人とも、真剣に頷いた。


「……待つ」


 レオン。


「……全力で落とす」


 アルト。


(重すぎる戦い、始まりました……)


 私は、空を見上げた。


「……私、何かした?」


 巻き込まれ体質すぎる。


 でも。


 この恋は、もう止まらない。


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