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森の中で

ここは隣国セインツ王国との国境の森で魔物が出ると言われているため滅多に人は訪れない。また、元々ヴァルト国とセイント王国は仲が悪くお互い足を踏み入れようとしないのだ。実際はセインツ王国のほうが何倍も国土が広く豊からしくうちの国が一方的に嫌っているようなものだ。小さい頃からヴァルト国の子供たちはあいつらは血も涙もないなどと教え込まれてきた。魔物を操るとも。私は暗い森での探索を諦める。ここまで探索して魔物には出会っていないがもしあったら大変だしこの森を抜けるのは不可能に近い。すぐそばの木に寄りかかって座る。格好はパーティのときのままのグリーンのスレンダーラインのドレスで肌寒くお行儀が悪いと思いながらも体育座りをして暖を取る。そういえばこのドレスも自分の趣味と全く違うなと思い出す。本当はこんなシンプルな袖にチュールがついているだけで装飾のほとんどないドレスではなくもっと可愛いものが着てみたかった。でもトーマスがいつも面倒くさそうに渡すのは体型にもあっていないシンプルなドレス。色だって濃い色は似合わないのに。

ずっと色々我慢してきたなあ。そんなことを考えているうちに睡魔に襲われうとうとしてくる。ああ、ここで終わりか、そう思ったときだった。




がさっ。森の茂みから音がした。なんだろう、このまま凍え死にできたらいいが魔物に殺されるのは嫌だなあ。考えがまとまらなくなってきた頭でそんなことを考えていると目の前に獣が現れた。2mくらいはあるだろうか、真っ白なふわふわの毛並みに耳がピンと立っている。狼にも似ているけれどそれより大きい。そしてなんだか神々しい。これは魔獣なんだろうか。それにしては邪気を感じないし敵意はなさそうだ。獣はこちらに寄ってきて犬が寝るような姿勢をとった。自分の背中に私を預ける。

「いいの?」

獣は構わないという風に私の頬を舐める。

獣の温もりで安心し、私は深い眠りにつく──




「おい、誰かいるぞ!」

ん、何か聞こえるような…もう獣の温もりさえも効果はなく体は動かないし、頭は全く働かない。もうダメか。だから人影が見えたような気がしたのは走馬灯だと思った。完全に意識を失う。




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