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追放

「公爵令嬢リーズレット・フォンタナ!お前を国外追放する!!」

今日は婚約式。

私の婚約者トーマス王太子殿下がそう言い放つ。隣にはトーマスに腕を絡ませて泣いている少女。この物語の結末は分かってた。私が報われないことも不幸を負い続けることも。でも私は信じてみたかった。周りの人達が少しでも私を大切にしてくれるって。そんな希望は無駄だったみたいだ。下を向いていた顔を上げる。

「それはなぜでしょうか、殿下」

トーマスは声を荒らげた。

「お前は魔法も聖力も上手く使えない。それに愛嬌もない。私の婚約者はヒナのほうが相応しいからな。何より不気味な姿のお前に横に立って欲しくない。」

私はピンクの髪の毛に真っ赤な瞳を持つ。どちらも血のようだと蔑まれてきた。表情は王妃教育によって心を悟られないようにするため変わらなくなった。一方ヒナと呼ばれる少女は真っ黒な髪と瞳そしてころころと変わる表情が愛らしい。

そして私とヒナで1番違うところは魔力と聖力だ。私には聖力は一切ないし魔力も普通の貴族が持っている10分の1以下だ。それでも国のためにやれることはやってきた。辛い王妃教育にも耐えた。それじゃあ足りなかったんだろうか。

「お前に何を言っても伝わらんだろう。おい、コイツを連れて行け。」

トーマスは脇に佇んでいた騎士に命令した。その騎士は私の腕を掴んでズルズルと外へ連れ出す。

私が外に出ると大きな扉が閉ざされた。本当にこれで終わりみたいだ。今までやってきたことは何だったんだろう。

「おい、早くしろ!」

騎士が乱暴に私を馬車へぶち込む。

「これからお前を国境の森に捨てる。生きては帰れないだろうな。」

「そうですか。」

「ちっ。こんな時にでも無表情なのかよ。あばよ。森で野垂れ死な。」

そう言い放つと馬車の扉を勢いよく閉じた。

馬車が進み始める。

私は窓の外を見ながらヴァルト国での17年間を思い

出す。

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