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原作 ゲーセンで出会った不思議な子の話 富澤 南
(´・ω・`)「ボクはさえない大学生」
(´・ω・`)「ボクはゲーセンが大好きだ」
(´・ω・`)「格闘ゲームにカードゲーム、音楽ゲームとわりとなんでもやる」
(´・ω・`)「だけど、ゲーム好きというよりは……」
(´・ω・`)「ゲームセンターの独特な雰囲気が好きなんだ」
(´・ω・`)「ダメ人間がたむろしているあの雰囲気」
(´・ω・`)「ボクもその中の一人なんだと思うと居心地のよさを覚えた」
(´・ω・`)「ゲーセンで顔見知り程度の知り合いが出来る事は珍しくはない」
(´・ω・`)「ゲーセンで出来た友達ってのも何人かいた」
(´・ω・`)「ゲーセンはたぶん、皆が考えているよりも健全で、いい場所なんだと思う」
大学の講義が半日で終わったので、ボクはゲーセンに直行した
(´・ω・`)「今日はなんのゲームをしようかな」
(´・ω・`)「うーん……」
(´・ω・`)「よし!今日はカードゲームで遊ぼう」
ボクは筐体に座って、しばらくそのゲームに興じていた
(´・ω・`)「やった!また勝った!」
(´・ω・`)「あんまり得意じゃないけど、今日は調子がいいぞ」
トスン
(´・ω・`) J(„❛⌄❛„)
ボクの隣の筐体に女の子が座った
Σ( °ω° )「え!?女の子!!」
ゲーセンで女性プレイヤーに出会うこともあまりないからちょっと驚いた
(´・ω・`)「まあべつに、おかしいほどのことでもないし」
って思いながらボクはゲームを続けた
(´・ω・`) J(„❛⌄❛„)
ゲームがひと段落してから、ボクは隣の女の子のほうを見た
(´・ω・`)「キャスケット帽っていうのかな……」
帽子を深々とかぶっていて、顔はよく見えなかった
(´・ω・`) .。oO(趣味の合う女の子とゲーセンで遊べたら楽しいだろうな)
と妄想を膨らませた
J(„❛⌄❛„)「今のはダメか……」
J(„❛⌄❛„)「うーん……なんでだろう」
(´・ω・`) .。oO(まわりに聞こえるくらいの独り言とか……ちょっと……)
傍から見るとちょっと変な人
だけど、ボクは彼女のことが気になりだした
(´・ω・`)「なんで?と聞かれると少し困るんだけど……」
でも、なんか気になった
すると彼女はそうそうにカードゲームをやめ
格闘ゲームの筐体に向かった
|ω・)チラ J(„❛⌄❛„)
ボクはつい気になってしまい、彼女の試合を観戦することにした
(´・ω・`) .。oO(ボクよりも強いな)
J(„❛⌄❛„)「えい!」
(´・ω・`)「ほぉー……」
J(„❛⌄❛„)「やあ!!」
(´・ω・`)「お、おお……」
(´・ω・`) .。oO(なんだろう、その時の彼女はとても輝いて見えた)
(´・ω・`)「ん?あれは……」
(⌐■_■)「俺が相手をしてやろう」
(´・ω・`) .。oO(彼は猛者プレイヤーだ)
(´・ω・`)「彼にはよくボコボコにされてるんだよな」
そして二人の対戦が始まった
ドシュバシュドドドドド
(´・ω・`)「なかなかいい闘いだ」
もしかして、彼女なら勝てるかも
と思ったけど、結局、彼女は負けちゃった
(´・ω・`)「あー残念……ん?」
Σ( °ω° )「え!?」
J(„;ㅿ;„)
彼女は顔を真っ赤にして泣いていた
(。゜ω゜) .。oO
ボクは唖然とした
(。゜ω゜) ε=ε=J(„;ㅿ;„)
彼女は喫煙所の方へ歩いて行った
ε=ε=(。゜ω゜)
ボクは慌てて彼女を追いかけた
なんで追いかけてしまったのか、自分でも分からない
喫煙所
(´・ω・`) .。oO(改めて見ると……すごい好みの顔)
ボクはドキッとした
(´・ω・`)y-゜゜゜J(„;ㅿ;„)
ボクは喫煙者なのでタバコを吸うふりをして彼女に話しかけた
(´・ω・`)「さっきは惜しかったですね……」
J(„;ㅿ;„)「え?あ、ああ……」
J(つㅿ;„)
J(„❛ꇴ❛„)「見てたんですか、恥ずかしいです」
彼女はニッコリと笑い
J(„❛ꇴ❛„)「わたし、ああいうとこだとつい必死になっちゃって……」
と答えてくれた
(´・ω・`) .。oO(ゲーセン仲間ってことで……)
初対面の会話の壁はそうとう低くなっていた
お互いにゲーム好き
自然と会話になったのも、場所がゲーセンだったからなんだと思う
J(„❛⌄❛„)「タバコ、一本くれません?」
(´・ω・`)「え、あ、吸うんですか?」
J(„❛⌄❛„)「吸わないけど、見てたら……なんか」
(´・ω・`)……
この時点で薄々わかっていた
彼女は天然か、変な人か、よくワカラン人
でも、大学生活サークルなし、青春なし、家に帰れば絵描きに時間を費やすボクにとって
女の子と話すことは稀にも稀で、舞い上がってしまっていた
(´^ω^`)「じゃ、吸います?キャスターって言うんだけど、ちょっと甘いかも」
J(„❛ꇴ❛„)「ありがとうございます~」
「ゴホッゴホッ」
思いっきり煙を吸い込んだ彼女は、案の定涙目になって
J(„;ㅿ;„)「ゲホ!なにこれ苦しい……」
(´^ω^`)……
よろしくないことだが
(´^ω^`) .。oO(この人、すごくおもしろいし、かわいい……)
って気持ちに取りつかれた
J(„❛ꇴ❛„)「それでね……」
彼女はなんでかしらないけどすごく笑った
ほんの数分、格ゲー談義をしたんだけど、とにかくすごく笑う
(´・ω・`).。oO(女の子ってこんなに笑うの?)
(´^ω^`) .。oO(でも、笑った女の子って本当に魅力的だ)
三十分後
(´・ω・`).。oO(この子の連絡先を知りたいな)
(´・ω・`)「そうだ!!」
(´・ω・`)「ボクは趣味でイラストを描くのがすきで……」
ゲーセンにいた子だし、こういった話に興味を示してくれるかもしれない
そして意気投合すれば、連絡先の交換ってことにも……
なんて、淡い思いを抱いた
だが……
J(„❛-❛„)「イラスト?」
笑顔で一杯だった彼女が急に暗い顔になった
J(„❛-❛„)「ま……その話はいいよ……」
J(„❛-❛„)「それじゃあまた、ゲーセンで会えたらいいね……」
ε=ε=J(„❛-❛„)
そう言って彼女は、ボクのパタパタと走り去ってしまった
(´・ω・`)「え……」
連絡先どころか
ほとんど喧嘩別れと言っていいぐらい雰囲気の中で別れてしまった
( ;´-ω-` ) .。oO(話が膨らむかなと思ったんだけど……)
もしかしたらそういうのが嫌いだったのかもしれない
それにしても……
(´・ω・`)「いったいあの子は何だったんだろう……?」
ボクは彼女のことが気になって仕方なかった
(´・ω・`)……
それと、拒否されたとは言え……
ボクにはイラストしかないって思った
(´・ω・`)「だって……」
それしかしてこなかったから……