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今日も今日とて、姉に良く似た小生意気な姪っ子は、よほど気に入ったのかテレビの前からまるでどく気配がない。
「おじさん、それはもしかして……」
「ゲーム機って奴だな。なんかめちゃくちゃ気に入ってるみたいだし、よく分からんけどこういうのあった方がいいかと思って」
「褒めてつかわします」
「そりゃどーも。にしても、こんな小さいのがドラゴン討伐の報酬と同じ額するってワケわからん世界だな。おかげでまた働かなきゃならんくなった」
「可愛い姪っ子の笑顔が見られると思えば安くないですか?」
「少なくとも自分からそれを言う姪っ子はあんまり可愛くないよ? 適当にカセットとかいうのも人気らしい奴いくつか買ってきたから選んどいて」
「特別に可愛い姪っ子の満面の笑みをプレゼントします」
「……笑顔作り慣れてる感がむしろイラッとくるんだけど」