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今日も今日とて、姉によく似た小生意気な姪っ子は、いつも通り我が家で……というわけではなく、夏休みの思い出作りと銘打って過去の転生者が作ったらしい遊園地の入場口で開園の時を待っていた。
「つーか、俺は引率ってことかと思ってたんだけど」
「? どういうことですか?」
「いや、こういうとこって家族連れとか友達と来るのが多いイメージあるからさ。友達いないの?」
「失礼ですね、いますよ。休みの日まで会いたいと思わないだけで」
「それはもはや友達なのか?」
「それに、仮に誰かと来ることになったとしたらおじさんは呼びませんよ」
「はいはい。人に見せられない残念なおじさんで申し訳ありませんね」
「いえ、おじさん地味に有名なので。たぶん一緒に来た子が落ち着かないですよ。謝ってください」
「なんでお前のイマジナリーフレンドに謝らなきゃいけないんだよ」
「そんなわけで、おじさんと遊園地に来れるのは私くらいなのです。ありがたく思ってください。おじさんが一人で来てたら不審者として摘まみ出されてますよ」
「一人だったら絶対に来ねえよこんなとこ」
「そのわりにはアトラクションの名前詳しかったですよね」




