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今日も今日とて姉に……姉に……姉が来た。
「来るなら来るって言っといてほしいんですけどね。それもこんな夜中に」
「前に言ってから来たらもぬけの殻だった。あれはどうして?」
「……いや、そりゃ予定がね」
「一週間待ってたのに帰ってこなかった。私の一週間の価値、分かる? 国が滅ぶよ?」
「や、それは悪かったけど。でも、その時はたまたま纏めて家を空ける用事が……」
「正直に言いなさい。……逃げたな、お前?」
「………………アポなしで来てもらって大丈夫ですお姉様」
「うん。分かればいい。で、本題だけど……あの子、どうだった? 今日、魔法祭だったよね?」
「気になるなら本人に聞けばいいのに」
「それができたらここには来てない。……あの子は、私には作り笑顔しか見せない」
「……英雄であることを後悔してる?」
「いや、全くしてない。これは私にしかできないこと。……だから」
「だから、娘との時間をとれなくても構わない?」
「…………今日は、千年前に封印された邪神の封印が解かれた。きっと、私がいなかったら大勢死んでいた。……私個人の望みと無辜の民の命。どちらが重いかなんて考えるまでもない」
「………………あいつ、楽しそうだったよ」
「そう。……なら、よかった」