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今日も今日とて、姉に良く似た小生意気な姪っ子は関係なく、生徒の凶行を止めようともしなかったハゲに一発入れたのが原因で学園中の警備員に追いかけ回されてあわや蜂の巣にされかけた。隠れている今もいつ見つけられるかと気が気でない。
「ちょっと壁にめり込む勢いで殴っただけなのに大げさな奴らだな。あのくらいであのハゲが死ぬわけないのに」
「雇用主が壁にめり込まされたら騒ぎになって当然です。というか、私がいない間に何してくれてるんですかおじさん」
「うおっ!? ……なんだ、お前か。クラスはいいの?」
「休憩時間です。せっかくなので一緒に回ってあげようかと思ったのですが……生きてて恥ずかしくないんですか?」
「そこまで言う?」
「言いますよ。おじさんはそれだけのことをしたんですよ。なに考えてたら学長に暴力振るうことになるんですか」
「いや、暴力っつーか、お前のクラスの出し物で俺の殺害許可出したみたいだったから、ちょっとツッコんだら思ったより勢いよく頭から突っ込んじゃった……」
「おじさんを殺して何が悪いんですか」
「悪いわ。なに教えてんだこの学校」
「まぁ、そんなことより」
「そんなこと?」
「どうぞ、認識阻害のお面です。何かあったとき用に持ってきておいてよかったです。使ってください」
「ありがたいけどこれが必要になること想定ってお前こそ何するつもりだったの?」