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今日も今日とて、姉に良く似た小生意気な姪っ子は、我が家……ではなく自身の所属するクラスの前で愛想を振り撒きながら受付をしていた。
「きっしょ……」
「あ、そこの警備員さん。そこの不審な男性、不法侵入です。殺してください」
「命の価値が軽すぎる。いや、違いますから。ちゃんと招待状持ってますから。ね?」
「……ちっ、忘れずに持ってきてやがりましたか」
「お前な、もし俺が忘れてたらどうするつもりだよ」
「どうもしませんよ。おじさんが蜂の巣になるだけです」
「最近の警備員ってそんながっちり武装してるの? 怖いんですけど……」
「そんなことよりおじさん。ずっとそこにいられると他のお客さんの邪魔です。お化け屋敷、入るんですか?」
「ん、まぁ、せっかく来たんだし」
「分かりました。難易度は煉獄でいいですね」
「よく分からないけどたぶんよくない」
「大丈夫です。たぶん死にますけど」
「何も大丈夫じゃない」
「何も問題はありませんよ。うちのクラスのスローガンは『お前もお化けにしてやろう』ですから」
「そんな事件性のあるスローガンあっていいの?」




