18
今日も今日とて、姉に良く似た小生意気な姪っ子は、ふとなにかを思い出したらしく転がっていた状態から飛び起きて一枚の紙切れを俺に手渡した。
「おじさん、言い忘れていました。私、魔法祭の準備があるので明日からしばらく来なくなります」
「ん、あー、もうそんな時期か」
「寂しくなる? そうですね」
「言ってないけど。耳どうなってんの? 魔法祭の準備より保健室行った方がいいんじゃない?」
「そうですか、そんなに私のクラスの催しが気になりますか」
「ほんとに耳どうなってんの?」
「私のクラスはお化け屋敷をすることになりました。スローガンは『心臓が停止するまで追い詰めろ!』です」
「考え直して」
「ですよね。私の『目指せ全キル!』の方が絶対いいと思います」
「生まれるところからやり直して」
「あ、もちろん魔法祭にはおじさんも招待してあげますから楽しみにしていてくださいね」
「前情報的には不安しかないんだけど」
「特別サービスで料金は二倍です」
「サービスの意味知ってる?」
「開始前からゾクッとさせてあげようという粋な計らいですよ」
「もっと違うところでゾクッとさせて」




