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今日も今日とて、姉に良く似た小生意気な姪っ子は、現実を直視できなくなったのか天井の染みを数えながら遠い目をして力無く微笑んでいた。
「分かってはいたけどこれはヤバいな。赤点どころか何科目か点すらないぞ」
「座学なんて将来なんの役に立つんですか」
「将来は知らねえけど、少なくとも今、退学にならなくて済むためには必須だろうな」
「……いっそ、赤点を取らないより赤点を取っても退学にならないように学校を変える方が簡単な気がしてきました」
「逆転の発想すぎる」
「誰を倒せばいいんでしょう? 学長ですか?」
「その方向で話進めるの? 正気?」




