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今日も今日とて、姉に良く似た小生意気な姪っ子は、なにやら一枚の紙切れを手渡した。
「おじさん、授業参観に来てください」
「は? ……どういうこと?」
「授業参観です。親が子供の授業の様子を見に来るあれです」
「いや、それは知ってる。聞いてるのはなんで親でもない俺が授業参観に行くのかって話なんだけど。というか、あれって関係者以外が行っていいものじゃないだろ」
「大丈夫ですよ。どうせ誰も気づきません」
「ダメじゃん」
「最悪、バレてもおじさんが不審者だと思われるだけですよ」
「もっとダメじゃん。つーか、庇えよ。なんでナチュラルに見捨ててんだよ」




