第3話 紙をつくりたい~その1~
魔法によるご都合主義にご理解ください・・・・
いやな方は即ブラウザバックお願いいたします。
科学って難しい・・・
アルティフェリスの口調が途中から幼女口調じゃなくなりますが、前世の魂が転生後の身体になじんだ!ということにします!
漢字なしでしゃべらせるのがおっくうになったわけではありません・・・・(汗)
紙作ろう・・・
そう決心した転生幼女アルティフェリス・ファブリカートル3歳です。
魔力が0の私のために両親はありとあらゆる生活のすべてを整えてくれていた。
でもそれは、私に魔力が0.0001でもあれば、無駄にはならなかった。
年老いて魔力がうまく使えなくなった人のための魔法物とか、病気で寝たきりになった人のための生活用魔法物とか、ありとあらゆるモノをそろえてくれたけど、魔力が0ではうまく使えなかったのだ。
うーん、近未来で家電が全部タッチパネルになってるのに、タッチパネルを操作できない感じ?
タッチパネルは、画面が押されたっていう圧力を感知する方法(ATMとか)と画面に電気の薄い膜を貼って、静電気を利用して画面が触られたっていうのを感知する静電容量方式がある。
ATMはがんばれば操作できるけど、身体が電気通らない絶縁体だから、スマホ操作できませーん
みたい現象かな?
使えたのもあるけどすっごく疲れてしまうのだ。
魔力ありきで作られたモノは、根幹は全て魔法式だ。
つまり、魔力が必要だ。
魔法を使えなくなっても、人の体内には魔力があり、魔力があれば、魔法物を使える。
魔法を発動させることができなくて、他の人に起動してもらったとしても、使う人に魔力がほんの少しでもあればいいのだ。
だから、私の生活はあらゆる人から魔法の介護をうけて成り立っているし、多少変なことを言っても、表向き精神疾患で療養中の私は怪しまれない!
というわけで、本日は紙を作ることにします!!!
「お嬢様、本日はいかが過ごされますか?」
「キリア、わたしおそとにでておさんぽしたいの。それで、紙をつくりたいの。」
「かしこまりました。」
キリアは無口だが、私が魔力0と知っている数少ないメイドで、何も言わず、私のやりたいようにさせてくれるのでありがたい存在だ。
さて、紙の材料は植物繊維だ。
小学校の自由研究で牛乳パックから紙を作った。
でも牛乳パックって何からできてるの??と両親になぜなに攻撃をした私は、植物繊維を抽出することに興味を持っていろいろ研究した。
和紙制作体験に行って職人のおじいちゃんに質問攻めした記憶がある・・・
日本の和紙は楮というクワ科の木の皮が原料だ。
これをを煮詰め、アルカリ性の液体で繊維をほぐし、十分に柔らかくなったら、木の皮を取り出して、1日水につけてアク抜きをし、その後何度も水を替えて洗浄・漂白したら、機械で細かくすると、牛乳パックをふにゃふにゃにしてミキサーでバラバラにしたときみたいな「紙のもと」ができあがる。
あとは、水に植物繊維をいれて「紙すき」をし、乾燥させればいい。
この時、トロロアオイという植物の根からとれるネバネバを水に入れるといいらしい。
さて、クソ女神からこの世界にものづくりを根付かせる役割を担ったが、女神はなにも一から科学や物理理論を作れと言ったのではない。
つまり、私の役割は、魔法依存な世界にものづくりを根付かせて、魔法を必要以上に使わなくてすむ、省魔力社会を作ればいいと私は解釈した!
よって、アルカリ性の液体とか、機械でバラバラとかは魔法でなんとかしてもらえばいいのだ。
(ご都合主義きた~)
だって自然界に存在するアルカリ性の液体なんてあるのかな・・・?
日本の温泉でもアルカリ性の温泉はあったけど、それでもpH11位の弱アルカリ性だし、水酸化ナトリウム並に強アルカリ性の液体を一から作るなんて無理無理。
ちなみに、肌がつるつるになる温泉がアルカリ性、皮脂を溶かしてすべすべ肌になります。
というわけで、科学部分を魔法で補うものづくり方式で許してください女神様・・・
歴史的に偉大な物理学者とか科学者とかがいないとものづくりなんて一人の力じゃ不可能ですよ・・・はい。
本題に戻ろう。
「キリア、木の皮がほしいの。できればたくさん!」
「どのような木の皮をお望みでいらっしゃいますか?」
「手に入りやすいものを何種類か見繕ってちょうだい。できるだけ安いのがいいな。」
「かしこまりました。」
キリアは優秀なので、多分数時間後には材料は揃うだろう。
それまでに私は、メイドにノート魔法してもらい、実験手順をまとめていた。
①木の皮を煮る。
これは鍋魔法と火魔法でできる。いずれ魔法を使わなくてすむように改善。
②アルカリ性の液体をいれて繊維をほぐれやすくする。
これも魔法でやってもらいたいけど、繊維をほぐすっていうのが伝わらない気がする。
そういえば、草木を燃やした灰がアルカリ性だった気がするな・・・
燃やす植物とか、燃やす温度とかもいろいろコツがあった。
「簡単草木灰の作り方」
地面に30㎝くらいの穴を掘って、草木をいれ、低温で燃やす。時々ひっくり返しながらまんべんなく燃やし、ある程度燃やしたら水をかけて火を消し、上から土をかけて数日放置する。土と灰をふるいにかけて分離する。
これも「ふるい魔法」とかいう魔法物ありそうだし、なんとかなりそう。
③洗浄と漂白、粉砕
これも魔法でお願いしよう。たぶんクリーンと浄化と風魔法とかでいける。
④紙すき
これも魔法でできそう。カーテン魔法とか、絨毯魔法とかあるみたいに、一様布っぽいものはある。魔法でできてるけど・・・
魔法でできてる薄い布魔法ありそうだし、ガーゼ魔法とか・・・
うん!なんとかなる! できなくても、薄くのばして乾燥させることがメインだから、私のやりたいことはみんなに伝わるはず。
魔法ありきじゃないとできないし、ぶっちゃけノート魔法の方が紙を一から作るよりも、消費魔力は少ないだろうけど、いずれ魔力消費ゼロの「紙」作ってやるぞ!
「お嬢様、お待たせいたしました。ご所望の木の皮をいくつかご用意いたしました。」
「ありがとう。お庭においといて。今行くから。」
さて、いざ実験!!
いろいろ調べましたが、細かい所は省いています。紙の歴史ってすっごく奥深い・・・
もう「転生したら紙を開発して億万長者になった」、とかで小説かけるくらいいろんな人が試行錯誤してできた、文明の発達の証拠だと改めて思いました。