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連撃のシュウタ   作者: ゼルダのりょーご
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三十二話  そして連撃へ

 《連撃のシュウタ》 そうして白の世界へ……




 苦しみ出したショウタの傍に死神が近づいてきた。


『とにかく自殺すると、すぐには天国に行かせられない決まりがある。だが、ショウタのナオトに対する思いやりの心が死を招いた。ナオトに託したという蘇りの呪文ならば、ショウタはすでにその身に受けている。2年前の死の直後にな』


 えっ? そんな以前に。でもショウタは生き返っていないじゃん。

 僕なんてアイツの唱える呪文で死の恐怖を感じたのに、ショウタにとって良い効果が出ないのは体調のせいなのか。


『ナオトの蘇生呪文が失敗に終わった理由については、ショウタが一番わかっていると思うが、彼に人ひとりの命を復活させられるだけの魔力が具わって居なかったのだな。そして、今回も到達していなかった』


「……」


 なんていうか、そんな理由だったのか。


『ナオトを井戸から救いたい一心で、一族に取り入ってナオトを戦記(オノノキ)の空への召喚者にしたが、彼には魔力の才が無く、ショウタは蘇生を叶えられない。それでは私の役目が果たせないのでショウタの辛かった思い出とともに生前の記憶を私が預かる事にしたのだ。そういう者を弟子に迎えて育てて、時が来るのをじっと待って居たのだ』


「時? どの様な時がいつ来たのですか?」


『シュウタよ、ショウタはこれで蘇生が叶わぬ事を知覚したのだ。』


「それじゃ、悟りというか、目覚めというか、ショウタは自分が天に召されてしまう事を受け入れざるを得ないのですね? 僕はまだ現世に未練があるんだ。僕の魔法使い人生はどうなるの?」


 僕は魔法の行方とその先に残された自分の人生が続くのかが気になって、死神に訊ねた。


『案ずることは無い。霊界の本地に行くのはショウタの魂だけだ。身体も魔法の知識も全て引き続き、お前に授けよう! さあ、最後にショウタと話して置く事はないか?』


 死神から聞けた言葉に僕は安堵した。

 ショウタ、どうやらここでお別れの様だ。

 僕は、天を仰ぎ深呼吸をした。

 そして一気に小さな胸に秘めた想いをショウタに向けて発した。


「ショウタぁああ! 僕と君は短い付き合いだったけどぉおお、ショウタに出会ってからは友達の少ない僕に言葉で言い尽くせないくらい友情をもらったー。楽しかったぁあ! 嬉しかったぁあ! ショウタが居てくれたから勇気が持てた。ミリゴとビンゴとの友情が戻ったのも君が居たから、アオイちゃんと上手くやれたのも君がいつも傍で励ましてくれたから! 僕は君がずっと居てくれると信じて居たから、再び生きて来れたんだぁああ!」


(ちょ、ちょっと何言ってんの僕? 夢の中のシュウタの頬に伝う熱い熱い情熱の雫は、次から次へととどまる事を知らなかった。その瞳は何かを強く決断した様に見えた。燃え滾る凛々しい輝きに満ちていた)


「ショウタという不思議な友達を持った時から、僕の天国は始まっていたんだ! 魔法使いの人生が生き甲斐になった日から、僕の青春の蕾は一気に開花していったんだ! 学校の中での友人たちとの友情の連帯などは、その花びらの一枚に過ぎなかったんだぁ!」


(夢の中のシュウタがかなり暴走モードに入って、意味が繋がんないほど青臭い何かを詩っているよ!)


「魔法使いのショウタと一心同体、それが僕の求めた本心の天国の中心であり、生きている活力であり、原動力だったぁ! ……気付いていた、いつかこんな日が来るってことは。その時は必ずショウタの為に最後のチカラを使おうと決めていたんだ!」


(や、やばいよこの子は……!)


「だから受け取ってよ、僕からの感謝のしるし!」



(ショウタはいつもと様子の違うシュウタの言葉使いと、今ここで涙を流している意味を直感的に感じ取った。次の瞬間だった……って僕はナレーター役かよ)




「…………シュウタ!! これはどーいうつもりだ! よせっ! オレはもう二年前に死んだ人間なんだぞっ! やめろ──ぉおおおおっ!!!」


(そんなショウタの切なく哀しい叫び声を受けながらも、シュウタは言葉を通し続けた)



「大好きな、大好きなアオイちゃんに別れを告げても、君との想い出を何よりも優先せずには居られないんだぁあ! だから……はぁはぁ。だからサヨナラをするのは僕の方だよ、ショウタ──ぁああッ‼ 生贄は僕の身体と魂だ! お願いだ、死神よ! 魔法力の全てを失っても構わない。ショウタをナオトの元へ帰してやって欲しい! もう二度と大切な親友を手放すな!」



(そういうことか、蘇れなかったのはナオトにもショウタにも、それにたり得る魔力が無かった不運だったんだ。だからシュウタ、君は差し出してやるのだな、もらった宝の日々のお返しに……)



「僕だって一度死んだ人間だよ! 君と過ごしたひとときが僕にとって何物にも代えがたい「青春の一乗の光」だったんだ──ぁああああっ!!」



(そう言い残すとシュウタの身体は劫火に焼き尽くされて、煌めく炎の中に赤い血潮の通った、ショウタの生身が再生された。これで僕は二度死んだってことか。まさかまさかだよなぁ。転生直前の記憶が曖昧だったのは、死神による記憶操作? があったからか)


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