4話 備えるための備え
「えぇ、いや流石に人は食べれないよ」
第一の感想はそれだった
キラキラした目でこっちを見るブレンドック達
確かにいつもとってきてくれたら撫でてたけどさ!
今回はちょっと大変だったぜみたいな顔している司令塔の犬(背中の毛が少し白くなる、ゴリラかな?)
いや、確かに今のこの子達なら子供くらい余裕でやれそうだけど
「これは、不味いんじゃないか・・・?」
子供が帰ってこない!
魔物に襲われたか!?
大人達武装して探索!
怪しい洞窟を発見!
探索!
魔物全滅!オレ逮捕!
「これは詰んだか」
いやよく考えるんだオレ
例えばブレンドックをもっと狂暴にして大人達を返り討ちに!
スライムも強化して戦力アップ!
「ダメだな、大人達がやられたらさすがにギルド(よくあるやつ)に連絡されて討伐パーティー来るんだろうな」
恐れるがいい
ギルドとは何でも屋であり基本は戦争の傭兵だったり魔物退治だったりダンジョンの攻略だったりしてる暇人共だぜ!
ランク制度で低いやつならオレでも勝てるねって自信を持って言えるが高ランクが来たら一目散に逃げるね
逃げ切れなくて殺されるね!
「となれば選ぶ手段はひとつ、社会復帰だな」
なんでこんな洞窟で暮らしてたかというと書き換えの練習だったり魔物と一緒にいても誰にも見られないからである
しかしこの力も大分自由に使えるようになったし
広く活動するには大きな町とかに行かないとだしな
「しかし、せっかく書き換えられるお前達が簡単にやられるのは嫌なので作戦を与える」
特に意味はないけどこしょこしょ話で作戦を伝える
ちなみにこいつら
オレの言うことをある程度理解し
コミュニケーションを取ってくれる
まあ、あっちがわん!とか返事はしてくれるけどいまいち意味はわからない
その場のノリで話をしている
それでも狩りとかお願いできるんだからコミュニケーションとれてるよね!
「よーし、スライムちゃん達はこのビンに入ってオレと一緒に行くよー」
ビンを3つほど洞窟の外で拾えていたのでその中に書き換えたスライムを入れる
二匹のスライムと一匹のヒーリングスライムだ
こいつらはお気に入りなので持っていく
「村人達に違和感なく溶け込む方法は既に考えている。そこのブレンドック、オレの左腕を噛め」
「くぅーん?」(えっ、なんでです?)
「ん?何を戸惑ってる、作戦に必要なことなのさ」
「わんわん」(もしかしてご主人そういう趣味ですか)
「あ、心配してくれてるのか。優しい奴め可愛いな」
「わん」(まあ人の性癖については何も言いませんけど)
「よし噛んで「がぶ」いっっっっ!!痛いっつの!バカ!思いっきり噛みすぎだバカ!」
「くぅーん」(えぇ、理不尽)
クソ!駄犬め!
思いっきり噛みやがった!
しかしこれで計画通りにことが進むはずだ
オレは死んだ子供を背負って洞窟を跡にする
近くにそれなりの大きさの村があるのは調査済みだぜ
ブレンドック
よくいる犬型の魔物
小型犬くらいの大きさで基本的に10匹~20匹程の群れで暮らす
基本バカであり群れにリーダーがいないので統率もない
狩りも失敗ばかりなので子供でも逃げれる
なんでこいつらが生存できているのか不思議でしょうがない
書き換えたブレンドックは
群れの中で役割が決まっている
司令塔には一番強い個体が選ばれる
その個体が死んだ場合は次に強い個体が司令塔になる
司令塔は背中の毛が白くなるがなんでなのかよくわかっていない
集団での狩り技術が向上しており
元になったブレンドックよりかなり脅威である