3話 使い方の使い方
この洞窟に来てから約半月ほど経った
始めは力の使い方にも慣れずに悪戦苦闘し続け
その日食事を手に入れることすら難しかったが
一週間もすれば流石に慣れるし
半月にもなれば自由自在である
「よーしよしスライムちゃん可愛いぞ」
今も力を使い仲間にしたスライムを愛でている
この力、力だとなんかわかりづらいからあの契約書にあった名前である(書き換え)と言わせてもらう
「この書き換えの能力は手の平で触れたものの遺伝子を組み換える」
独り言は許して欲しい、独りでずっといるとつい声に出したくなってしまう
「その時、オレに対して従順になると組み込むことであの狂暴で手のつけられない魔物が可愛いペットみたいになるんですよ!」
手の平で捏ねてたスライムを見ながら独り言を続ける
「しかし最初は苦戦した。スライムを仲間にしたのはいいが触れるとベタつくし簡単に崩れるし、核が無事ならまた再生するんだけど妙に時間かかるし、だから書き換えた」
そう!なんといってもこのスライムちゃんは通常の残念スライムからしっとりと肌に吸い付くボディになんとも言えない弾力感!
そして何かの拍子につい砕けちゃったりした時でもほんの数秒で再生するようになっているのさ!
「しかも、書き換えた生き物が生んだ子供にその設定は引き継がれる」
まあ、スライムは子供というよりも分裂して増殖する感じだけどね
それでも設定は引き継がれるから凄いよね!
まあ、こんな感じどごつごつした岩場の洞窟でもスライムを下に引き積めて快適に過ごさせてもらってるんだけどね
「ちなみに僕の食事は洞窟を出てすぐ近くにいたブレンドックっていう犬型のモンスターを書き換えて持ってきてもらってる」
これがまた大変で
書き換えるのは速攻でできるけど
慣れないせいか書き換えている時に別のに噛まれたりと正直死にかけた
いや、慣れれた今なら千手観音のごとくぱぱぱと無傷で書き換えられるけどあの時はムリだった
「ふと思い付いた薬草を食べるスライムでヒーリングスライムとかってネタが生きた瞬間だったな」
その名の通り回復してくれるスライムで
患部にくっついてスライムの再生と薬草の回復効果(HP20回復くらい)を合わせた治療で数時間もあればお肌つるつる
ちなみに魔法の治療なら一瞬で治る
オレは魔法使えないからどうでもいいけどね!
「ブレンドックはまんま犬みたい魔物だから、正直あんまし脅威のある魔物ではないんだよね。」
ちなみにスライムは問題外
正直子供でもブレンドックの群れくらい逃げ切れちゃうね
あいつらバカだから、なんか餌を前にして誰いく?みたいな
喧嘩始めるんだよね
だから捕まえられるのはそんなことが起きる前に捕まえられる昆虫型の魔物とか偶然倒せた小型の魔物くらいなの
それだとオレが何も食べれないから
「書き換えた。司令塔を作り集団での狩りを設定した。司令塔が殺されてもすぐにそのなかで一番強いやつが司令になる。囲んで気を反らせて死角から襲うように設定したのさ」
お陰でオレはそれなりの食事にありつけるのさ
野菜はスライムにこっそり運んでもらってる、
体の中に入れて運ぶからちょっと水で洗わないとダメ
改善しなきゃな
「そんなことを話していると可愛い・・・?ワンちゃん達が食事を運んで来たぜ」
今日はなんだろうな
最近は豚ばっかだったから牛とかいいな、流石に牛はムリかな
ブレンドックが連れてきたのは死んだ子供でした
スライム
普通のはファミレスとかにあるバケツに入ったスライムのような感じ
普段は洞窟や水辺などに生息している
基本的に水や霞みなどを食べて生きている(仙人かな?)
核が潰されなければ再生するがその速度は遅く
正直赤ちゃんにオモチャにされて無限再生の地獄行きにされるレベル
自然界では吸収した水分やそれに含まれる栄養素を他の土地に分配したりと意外と大切な役目がある。
書き換えたスライムはプルプルしてる近年よく映像化されてるような可愛いスライムを想像して欲しい
それがクッションとして絆創膏として運搬道具として働いてくれる
最高である
色は青色
戦闘能力はない