2話 事前説明の説明
「なんだここは?」
目が覚めると知らない洞窟にいた
いや、知ってる洞窟なんかないけどさ
「そもそもオレはあの時死んだはずじゃ」
『確かにあなたは死にました』
突然頭の中に声が響いた
とても澄んでいて多分声の主は美少女に違いない
「あーっと、どちらさま?」
『私は力を与える者、この紙にサインを』
目の前の何もない空間から紙とペンが出てくる
魔法なのだろうか、正直見たことも聞いたこともないが
いやまて、多分声の主がオレをあの死の窮地から救ってくれた恩人、所謂命の恩人に違いはないだろうが
正直なにがなんだか意味がわからない
「その、助けてくれたことは感謝しています。それでオレに何をしろと?」
『私は貴方に力を与えます、その力は始めは弱々しく簡単に踏み潰されてしまうものでしょうが使い方次第では全てに勝る力です』
「その力を手に入れてオレに何をしろと?」
『軍勢を作ってください、どんな勢力にも負けない軍を』
「なるほど、なにかルールはあるのかな?」
『特にはありませんのでしたいことをしたいだけしてください、あなたが必要になった時にまたお伝えします』
「わかった、サインするよ」
目の前の紙に名前を書き込む
力をくれたうえに好きなことしてていいんだ
うますぎる話だとは思うが命を救われた身だしな
『ゲノム・オールターここに契約は結ばれました。貴方に遺伝子改造の罪を授けます』
「遺伝子改造?」
『生物の進化を決めるもの。生き物の在り方その物を未来永劫変えてしまえる力です』
「えーと、要するに生き物を好きな風に作れるってこと?」
『少し違いますがその通りですね』
「なにそれ神様みたいだな」
『神ではありません。神は作るだけでなにもしてこなかった、故にこの力は神に対する冒涜です』
「まあ、その神様に見捨てられて死んだ身だからな。ありがたく使わせてもらうよ」
すると目の前の紙は消え
自然と頭に知識が入り込んできた
あの声が言っていた力についての知識だ
「好きにしていいってことだし、まずは力の練習だな」
こうして
オレの第二の人生が始まった