第1話
私は通勤にJRを利用している
何処にでもいる平凡な男である
趣味は
お酒を飲みながら人と話をすること
後はパチンコぐらいである
お酒の好きな私は、会社の帰りに、ほとんど毎日飲んで帰る
2時間程度ならいいのだが
3時間、4時間と飲んでいると、眠くなってくる
駅までは、同僚と一緒なので、問題ないのだが、
電車に乗って座った途端
睡魔に襲われる
気が付くと、駅員が
「お客さん終点ですから降りてください」という
慌てて電車から飛び降り
ホームの時刻表を見ると帰りの電車がない
やむなくタクシーで帰る
タクシー代15000円
痛い出費である
二度とこんなバカな事はしないと心に誓う
2日後またまた同じ時刻の同じ電車で終点まで
またやってしまった
自己嫌悪に陥る
「俺は何て馬鹿なんだろう」
タクシー乗り場に向かうと
目の前に私と同じような人物発見
ラッキーかも
「どうしました」と声を掛ける
相手の男も私と同じ状況
帰る方向も私と同じ
やはりラッキーである
料金を割り勘にする約束をし
同じタクシーに乗り込む
話を聞くと一週間前も乗り越したらしい
酒飲みは同じような行動パターンだとつくづく思う
互いに慰めあっているうちに相手の男の家に到着
料金は5000円
相手の男は私に5000円を渡し降りていく
なんの違和感もなく私はお金を受けとる
自宅に着いた途端バタンキュウ
翌朝昨日のことを思い出すと割り勘になってない
もうかった
やはりラッキーだった
でも相手の男に悪いことをしたと反省する
酔っぱらいは困ったものだ
チャンチャン
駅員さんが
「終点ですから降りてください」という
慌てて