2話 重い出
申し遅れたんだけど、あたしの名前は早乙女 夢子。
乙女に夢に女の子みたいな名前でしょ?ま、女の子なんだけどさ。
そんな名前に反抗してか知らないけど、あたしは小さい時からお人形遊びより鬼ごっこが好きだったしおままごとよりかくれんぼとか鉄棒遊びのほうが好きだった。
高校生になった今でも女子特有のきゃっきゃした雰囲気は苦手だし、好きな人の話で盛り上がることもなんでか分かんない。
でもこの名前は嫌いじゃない。だって、ずっと小さい時から仲がいい、たっちょんこと坂井達哉が褒めてくれたから。
そしてたっちょんは、あたしの初恋の人で、今でも好きだったりする。
結構なイケメン君で、学年だけではなく先輩からも噂されてる。
ここまで聞いてさ。「え?少女漫画みたいな幼馴染じゃん」とかさ、
「少女漫画が嫌とか言ってたわりにそんな生活じゃんwwどーせ付き合うんだろ?その2人www」とか思われると思う。
でも現実は一mmも甘くない。
実は、告白しました。中学卒業するときに。
ばっさり振られました。
それも、お前のコト恋愛対象に見れないとか、好きな人いるから・・・とかそんなんじゃない。
「わりぃーなー。俺、お前のコト女子として見れないわ。男なんじゃねぇの?」
いやいやいやいやいやいや、え!?告白されて返しがこれ!??
もちろんいい返事なんて求めてませんでした!身の程は分かってましたとも!!
でもさ、必死に顔真っ赤にして告ってくる幼馴染に対して男だろ?とかよぉぉ!!
照れ隠しじゃないの?とか、最初は少し思った。
「・・・ずっとあたしはあんたと一緒に入れてすごい嬉しいんだよ・・・?
てかさ、前にずっと一緒にいようなって言ってくれたじゃん。てか、お前の名前女子っぽくて好きとか言ってたじゃん!」
「え?あー、だってお前楽なんだもん。男の遊びばっかできるし、お前はお前で人望あるから女子とお近づきになりやすいし。名前は普通に好みだよ!!」
最低だ、こいつ。あたしを利用して女の子と仲良くしてたなんて。
「でも、あたしは、あんたが好きだから。い・・・一緒に・・・いたんだよ・・」
「確かに思わせぶりなことしたし、俺イケメンだし、悪かったと思ってる。
でもお前とは付き合えないんだ。女子として見たことないから彼女とか意味わかんない」
そんな感じで、友達としてならいてほしいって言われて今に至る。
意味わかんないとまで言われて終わったあたしの初恋。
でもいまだにあきらめきれなくてそれ以来少し女の子に近づこうと頑張ってるんだ。・・・成果はでないけど。
たっちょん最低説